2017年01月22日
東京マルイ S&W M&P9
今回は東京マルイのM&P9をレポートします。
アメリカ駐在中に取材した実銃と比較しながらご紹介します。

M&P9は、アメリカ銃器メーカーの老舗Smith and Wesson (S&W)が開発したストライカーファイアのポリマーフレームハンドガン。
Glockに対抗すべく、S&Wが満を持して2005年にリリースしました。
かつてGlockの市場席巻に影響を受け、その場しのぎで対抗策「シグマ」を送り出したものの、多くの部分でGlockを模倣するという、老舗銃器メーカーとして恥ずべき暴挙でした。
結果、Glockに訴えられ、自らのブランドに泥を塗ることとなりました。
屈辱の中、名誉挽回を誓ったS&Wが、徹底的に研究と技術開発に徹し、持てる力を注ぎこんで出した答えが、このM&Pシリーズ。
かつて全米のLE機関が愛用していたM10の愛称「Military & Police」の名を冠している通り、軍・警察をメインターゲットとするコンバットハンドガンです。
登場以来、アメリカ市場の評価は上々。
Glockが占める市場にじわじわ食い込む程人気です。
最近の映画では、「アベンジャーズ」シリーズに登場するS.H.I.E.L.D.長官ニック フューリーがサイドアームとして使用しています。
そんなS&Wの野心作を東京マルイは2014年にモデルアップ。
2009年の発表以来、お得意の超絶焦らし攻撃(
発表当初は.45口径モデルでしたが、後に9mmモデルに変更したのはナイス判断だったと思います。
発売以来欲しい欲しいと思いながらもお財布事情で中々買えませんでしたが、仕事の都合でアメリカに駐在中に実銃に触れ、帰国後我慢できなくなり購入しました。
購入した個体は中古品でしたが、梱包・本体ともにほとんど傷が見られない極美品でした。
では細部を見ていきましょう。
外箱のデザイン。
最近のモデルの箱はスタイリッシュでカッコいいですね。
中身の梱包は、ありがちな真っ白発砲スチロールではなく、黒を基調とするスタイリッシュな仕様。
東京マルイは実在するサムセーフティモデルをモデルアップ。
Glockシリーズみたいに変なマニュアルセーフティーを無理矢理つけるよりは好感が持てます。
スライドの刻印はマルイらしく太め。このモデルは本家からお墨付きを得たのか、S&Wの刻印がばっちり入っています。

実銃の刻印も太めな印象で、スライドはマットグレーに近い色合い。
マズルまわり。
リコイルスプリングガイドはヘックス(六角形)タイプで実銃と同様。
一般的にマルイの塗装は甘いので剥げが心配です。
アウターバレルは実銃に比べて肉薄ですが、それを除けば実銃そっくりでよくできていると思います。

実銃。
最近のポリマーオートはダストカバーにレールが標準装備。
フラッシュライトの取り付けが前提です。
トリガーまわり。実銃同様上下2分割式で、下半分がトリガーセーフティとなっています。
引き味はぐにゃっとした感じ。
Glock同様、好き嫌いの別れるトリガーですが、Glockに比べて遊びは短く、レットオフ直前で重くなり、パチンと落ちます。
フレームのピンは実銃同様ロールピンでびっくり(笑)

実銃。
一般的に実銃のトリガーは安全上、トイガンに比べて重いものですが、M&Pの場合はGlockに比べてスムーズで軽かったと記憶しています。
ちなみに、Glockとは異なり、ストライカーの位置に関わらずトリガーポジションは変わらないまま。
実銃ではローディングインジケーターがあるので大きな問題にはなりませんが、エアガンでは後述の気になる点が・・・

マニュアルセーフティはアンビで、M1911系同様上げてON。
可動範囲は短くパチパチとクリック感があり使いやすいと感じます。
スライドストップリリースも実銃同様にアンビ。
フレームには相変わらず頑固一徹にマルイ刻印。
マルイの銃は「浪漫のあるモデルガン」というより「サバゲのツール」ですし仕方ないね。
リアル派の我々はさっさと社外品のリアル刻印フレームに交換しちゃいましょう。
サイトはホワイトドット3点式。
ノーマルでもリアサイトがノバックっぽくて使いやすいと思います。
チャンバー後部には、ローディングインジケーターを再現。
丸い小窓には真鍮が見え、薬莢が装てんされているようで雰囲気抜群。
最近のマルイ製ガスガンはホップアップ調整レバーが改良され、ホールドオープンの状態でチャンバーに指を突っ込むことで、フィールドストリッピング(通常分解)しなくてもホップ調整が可能です。
グリップにはS&Wのロゴマークが入ります。
交換可能なバックストラップはラバーで握りやすさは良好。

実銃のグリップはマルイ製に比べツヤ消しでもっとザラザラした仕上げ。
バックストラップの交換は簡単。
マグウェル後部のレバーを画像のように反時計回りに90度回し・・・
そのまま下に引き抜くと・・・
ロックが外れ、バックストラップを取り外せます。

左から、Small、Medium、Large。
Mediumがデフォルトで装着されます。
日本人の手にはSmallがしっくりくると思います。
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で装弾数25発。
ガスガンとしては標準的な装弾数です。
ツヤ消しマット仕上げですが、一般的にマルイの塗装は弱いため、使い込むうちにどんどん剥げてくると思います。

実銃のマガジン。9mm弾が17発のキャパシティ。
スチールプレス製でブルー仕上げ。
フィールドストリッピングも簡単。
マガジンを抜いてスライドを引き、チャンバーチェックを行ってから、トリガー上のレバーを90度下にまわすとスライドASSYが前に外れます。
フィールドストリッピング。
Glock同様パーツ点数が少なく、メンテナンスも容易です。
エンジンまわり。
強烈なリコイルショックを生む15mmの大口径ピストンカップ装備。
実銃はストライカーファイアでも、ガスガンは内部のインナーハンマーによってマガジンのバルブを叩いて撃発します。
ホールドオープン。
スライドストップノッチには削れ対策の他、スライドストップレバーが直接ノッチに触れないような構造になっていますが・・・
よく見ると隙間がありすぎるような・・・(苦笑)


(左:東京マルイ製 右:実銃)
実銃と比較するとやはりオモチャっぽさは残りますが、S&W刻印やロールピンの採用など、一昔前の同社製品に比べかなり細かなディティールがリアルになりつつあり、全体的にはよくできていると思います。
実射性能は、まだ軽い慣らし運転程度ですが、リコイルは強烈。
真冬の冷えではさすがに作動不良が出るものの、マガジンを温めると鋭いリコイルで手元が狂います。
弾道も素直で15m先の灰皿サイズのターゲットにビシバシ当たり、ハンドガンとしては申し分ない性能です。
気になる点は・・・
①インナーハンマーがコックされてもトリガーポジションが変わらない
Glockではコックすると変わるトリガーポジションでも、M&Pでは変わりません。
実銃にはローディングインジケーターがありますが、エアガンでは所詮はお飾り。
チャンバーチェックには特に気を付け、常にロードされている前提で扱う必要があります。
②スライドが若干重い
巷のユーザーでも話題に挙がっているようですが、ハンマーダウンからコックする際スライドが重く感じます。
ハンマースプリングとシアースプリングが固めなのかもしれません。
今のところ実用上問題なさそうですので様子を見ますが・・・
それでも、トリガーポジションの点以外はGlock以上に使いやすく、後継機にぴったりだと感じました。
しばらくはタクトレのセカンダリーとして、腰に吊るすことにします。
今回はここまで。
次回もお楽しみに。
Posted by Top Gun at 01:07│Comments(4)
│東京マルイ
この記事へのコメント
M&P、良さげですね。
買うかな…
買うかな…
Posted by 鉛玉 at 2017年01月22日 02:42
鉛玉くん
DEAとどこかのPDが確か使ってた気がする
タクトレ用にもいいと思うよ
DEAとどこかのPDが確か使ってた気がする
タクトレ用にもいいと思うよ
Posted by 鷹志
at 2017年01月22日 11:16

あとバッジ…買ってらっしゃいますね。
これはまさか…笑
これはまさか…笑
Posted by 鉛玉 at 2017年01月23日 03:08
例のロスコのやつ
ホントは金のが欲しい(笑)
ホントは金のが欲しい(笑)
Posted by 鷹志
at 2017年01月23日 19:30

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