2018年01月14日
MARUZEN Walther PPK/S
世界一有名なスパイと言えば、やはりあの男が思い浮かぶのではないでしょうか?
ジェームズ・ボンド、またの名を007。
殺しのライセンスを与えられた凄腕スパイながら、高級スーツを羽織り、シェイクしたウォッカ・マティーニを嗜むお洒落な男。
絶世の美女と熱い夜を過ごしたかと思えば、巨大組織の陰謀に秘密兵器を駆使して立ち向かう。
ショーン・コネリーの「ドクター・ノオ」以来、長らく人々を魅了するムービーヒーローです。
最近では初の金髪ボンドと言われるダニエル・クレイグが演じ、多くの批判とプレッシャーを跳ね除け、「史上最高のボンド」と言わしめるほど見事に演じ切りました。
そんな彼が「スカイフォール」で懐に忍ばせていた銃が、今回の主役となります。
今回は、マルゼンの傑作、Walther PPK/Sをレビューします。

実銃のPPK/Sは、ドイツのWalther社が大戦期に警察向けに開発したPPの短縮版PPKを、大戦後アメリカの輸入規制に適合させるべく改修したストレートブローバック方式の自動拳銃。
PPKのスライドを、PPのグリップ長を持つフレームと組み合わせることで、規制のパスに必要なサイズと全高を確保しています。
規制のための苦肉の策として生み出されたPPK/Sですが、グリップ長が長くなったことで、より撃ちやすくなっております。
口径は.22LR、.32ACP、.380ACPとあり、マルゼンがモデルアップしたのは.380ACPモデルです。
マルゼンのPPK/Sは、固定ガスオート時代から長らくモデルアップが続いているロングセラーモデル。
これまで幾度の改良を経て、現在に至ります。
ではいつも通り箱から見ていきましょう。
外箱。
現行品は赤紫色のシンプルなデザインです。
本体が小さいだけに箱もコンパクト。
箱には取扱説明書の他、試射用BB弾少々と弾抜用リリース棒が付属。
本体はビニール袋にくるまれています。
手に取ってみると、その小ささに驚かされます。
これまで扱いなれてきたGlock26よりもさらに小さく、これまで所持してきたブローバックガスガンでは最小です。
スライド左側面。
正式ライセンス提携により成せるWaltherバナーが誇らしげ。
その分下の日本製刻印が遠慮がちに見えます。
刻印は実銃同様浅目に入れられていてGOOD。
ただ、スライド表面のプラスチック感が健在なのが残念。
トリガープルはダブルアクションでも比較的軽くスムーズで、リセットも短い部類かと思います。
当時の小型拳銃としては画期的なボタン式マグキャッチは、ややスライド寄りの配置ながら、親指でアクセスしやすいです。
なんとも可愛げなマズルまわり。
インナーバレルがギリギリまで出ているので黒染め推奨。
このサイズでもマニュアルセーフティとデコッキング機構は完全再現。
ハンマーダウン時にレバーを下げるとセーフティON。
ハンマーコック時にレバーを下げるとデコック。
レバーが薄く小さいので、ぶつけたり落としたりすると折れないか心配です。
ファイアリングピンは窪みながらそれっぽく再現。
リアサイト直下のチャンバーインジケーターはダミーでモールドのみ。
スライド右側面。
ライセンス関係の刻印がちょっと萎え要素。
排莢口下の刻印はちゃんとシリアルナンバーになっており、個体ごとに違うようです。
小さなシングルカラムマガジンながら装弾数22発。
しかも空撃ち用切り欠きや、一気にBB弾を流し込む時便利なロード用切り欠きも標準装備という優れもの。
お座敷シューターとしては空撃ちだけで結構楽しめます。
ホールドオープン。
PPK/Sにはスライドストップリリースレバーがないため、ホールドオープン解除には装填済のフレッシュマガジンを挿入してスライドを引くか、マガジンを抜いてスライドを引く必要があります。
フィールドストリッピング。
まずマガジンを抜き、チャンバーの残弾を確認してからハンマーダウンし、トリガーガードを写真のように下に引き抜いたらスライドを引いて後端を上に押し上げて外します。
フィールドストリッピング完了。
ブローニングタイプのショートリコイル方式の銃に慣れていると最初は戸惑いますが、慣れればむしろ簡単かも。
ストレートブローバックなのでバレルは固定式。
ノーマルモデルはプラ製アウターバレルで固定ホップ装備。
インナーバレル内部とホップパッキン。
だいたいこのくらいの突出量で固定されています。
エンジン部。
小さいながら素早く鋭いリコイルを発生させます。
やっぱり可変ホップが欲しいし、何よりボンドみたいにサイレンサーをつけたい!!
ということで分解ついでにマルゼン純正のクラッシックサイレンサー・可変ホップバレルセットを組んでみました。
バレル交換は思ったより簡単。
フレームとバレルを固定する2本のピンを抜いて行います。
装着済の図。
可変ホップとなり、上部に調整用ネジが付きました。
さらにサイレンサー取り付けのためにマズルにネジ山が切られ、アウター全体が金属製になりました。
これだけでも十分実銃っぽく雰囲気UPです。
付属のサイレンサーを反時計回りに回して取り付けます。
サイレンサーは過去に発売されていた、ムービープロップシリーズに付属するサイレンサーとは別物で、やや短めになっております。
まぁ、あまり長いと取り回しに苦労するので、このくらいが個人的にベストかと。
あぁ素晴らしい。
なんてカッコいいんだろう。
これだけでお酒が進みます。
ちなみにサイレンサーによる減音効果はほとんど期待できません。
ただ元々発射音は小さい部類なのであまり気にはなりません。
実射性能は、そのサイズからすれば驚きの一言。
特にリコイルが素晴らしく、小さいのに素早く鋭いリコイルが楽しめます。
初速は60m~65m/s程度で、やはりバレルが短いので威力は少なめ。
命中精度については、いつも通り8mから0.25gのBB弾(今回はG&G製使用)5発で計測しました。
僕の個体はやや右に集弾する癖があるようですが、グルーピングについては写真右の結果の通り悪くありません。
ただ、気になる点として、この個体では給弾不良が頻発しました。
ブローバックしてもチャンバーに弾が送り込まれないトラブルです。
マガジンの問題か、シリンダーの後退不足か、はたまた弾との相性か、原因は不明です。
これが実戦中だったらと思うと・・・少々ヒヤッとします。
外見・運用構想がよく似ているSIGSauer P230JPと大きさを比べてみました(このP230JP、故障中のジャンク品なのでTop Gun未登場)。
こうしてみるとほぼ同じ大きさに見えますが・・・
実はP230JPのほうがやや大きかったりします。
総評として、マルゼンのPPK/Sには非常に驚かされました。
サイズとリコイルのギャップがたまりません。
給弾不良の頻発が気になりますが、僕の所有する個体がハズレなだけかもしれません。
それにしても、このポテンシャルでお値段¥10,000を切るので、コストパフォーマンスも半端じゃないです。
一流スパイ気分を味わいたい方にも小さな銃が好きなコンパク党のあなたにも、おすすめの一丁です。