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Posted by ミリタリーブログ at

2015年11月06日

WA S&W ショーティ .40





今回は懐かしい銃をレビューします。

WA S&W ショーティ .40(以下 ショーティ40)は、渋谷の名門老舗、ウエスタンアームズが発売するコンパクトオート。
古くから再販を繰り返し、バリエーションモデルも存在するロングセラーです。

M59系・第三世代の.40口径モデルをベースに、Smith & Wessonのカスタム部門であるPerformance Centerが手を加えたものをモデルにしているんだとか。
ただ、実銃の情報がイマイチパッとしません。ショーティ40の実銃写真はおろか、ベースとなったモデルについての記述が少なく、多くが謎です。
スタイルや口径を考えると、ベースはM6906(9mmPara)か、M4013(.40S&W)でしょうか。







Smith & Wessonと言えば、やはりリボルバーが強いメーカーというイメージを持つ方も多くいらっしゃるかと思います。
現在でこそ、M&P9など優秀なオートマチックを手掛けるメーカーとして知られるようになりましたが、それより以前から数多くのオートを世に送り出してきました。
その代表がM39シリーズと、その他弾数化モデルのM59です。

米軍のXM9トライアルの落選など、軍用としてはあまり芳しい評価を得ることはできませんでしたが、警察組織からは一定の評価を獲得。
カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール(CHP)など、多くの法執行機関に採用されました。
日本警察でも、M3913が一部で採用されています。

SIGSauerやGlockが大好きな僕ですが、実はM39系も大好き。
こういう無骨でいて艶めかしい美しさを持ったオールドオートって、とても魅力的だと感じます。








この個体は、先日小倉に遊びに行った時に偶然見つけたもの。
小倉に戻ると必ず立ち寄るエチゴヤ北九州店の中古コーナーで発見。

たぶん前のオーナーさんが相当大切にされていたんでしょう。
傷一つない極美品で箱・取説付。さらにスペアマガジンがついて、お値段なんと6800円。
もう叩き売りもいいところ。
高校時代からずっと欲しかったものだけに、運命を感じました。

神様ありがとう。前のオーナーさんありがとう。エチゴヤ店長ありがとう。宝物にします。

では詳細を見ていきましょう。








外箱。Smith & Wesson公認モデルらしく、公式ロゴマークがでかでかと表面を飾ります。









この個体は前のオーナーさんの管理が素晴らしく、ほぼ完品の状態。
おまけにスペアマガジンまで付いてきました。












3.5インチバレルのコンパクトモデルなだけに、手頃で扱いやすいサイズ。
全体的な質感は、ステンレスモデルを意識して眩しいメッキ仕上げですが、かといって鏡のようにテカテカしている訳ではなく、程よいマットシルバー。








マズル付近。
少しバレルが中央に寄り過ぎているように見えます。
インナーバレルは銀色で、他社の真鍮のように目立つことはなく、自然な印象です。








スライドの刻印は薄く、良い雰囲気。
ただし、フレームの「ASGK」が残念ですね。








トリガーまわり。
トリガーガードは丸いタイプで、前部にチェッカリングが入ります。
ダブルアクションのトリガープルは非常にスムーズで軽い部類です。
東京マルイのP226に慣れた僕にとっては新鮮でした。
シングルアクションも遊びが少なく、シアが落ちる手前の感覚が指でつかめるのが好印象。
キレも良く、リセットも比較的短いので速射に向いているかも。









チャンバーまわり。
.40S&Wの刻印がいいアクセント。









リアサイトはノバックタイプ。
あくまで「タイプ」なので、刻印は無し。
実物だったら最高なんだけどな。

マニュアルセーフティはアンビ。
ただし、ベレッタ92FSのように強度面で不安が残ります。
特に右側のレバーが構造的に弱そうです。扱いには気を付けないと・・・









フロントサイトは黒で、ホワイトドットが入ります。
固定か可変かどうかは不明です。









リアサイトにもホワイトドットが二つ。
ダミーのファイアリングピンがモールドで再現されていていいですね。
ハンマー付け根の上に見えるのは実際のファイアリングピン。
これがハンマーの打撃力をマガジンのバルブに伝える仕組み。









ハンマーは、コンシールドキャリーとダブルアクションでの運用を重視した、指かけのないスパーレスタイプ。
ハンマーが落ちた状態ではスライド後部にすっぽり収まるため、引っ掛かりの少ないデザインです。
ハンマーだけでなく金属部品すべてに言えることですが、全体的に仕上げが雑な印象。
塗膜の強度が心配です。










デコッキング機構もライブで再現。
ハンマーがコックされた状態でマニュアルセーフティを押し下げると、ハンマーを安全位置まで戻すことができます。
ただしレバーの動きが固く、下げきってから戻す時に指に力が入ります。
ちなみにハンマーダウンの状態でレバーを下げると、セーフティが働きトリガーを引いてもハンマーは動きません。









フレーム右側面にはSmith & Wessonのトレードマークが打刻されておりリアルです。
刻印上のボタンは、分解時にスライドストップレバーを押し出す為のボタン。










グリップ。
リアル刻印入りで雰囲気抜群。
ただかなり太く、手が小さな人には若干握りにくいかも。









通常分解は、M1911に似ています。
まずマガジンを抜き、チャンバーに装填されていないことを確認します。
そしてスライドストップノッチをスライドストップレバーの前部に合わせたら、フレーム右側面のボタンを押しながらスライドストップレバーを引き抜き、スライドを前方に押し出したらOK。








通常分解。
部品点数も一般的なオートと変わりなくシンプルです。
リコイルスプリングはデュアル(二重)タイプ。









ウエスタンアームズ名物、マグナブローバックの心臓部。
ショーティ40最大の弱点が、画像右下に見えるスライドストップノッチ。
最近のモデルでは当たり前の金属補強がされておらず、スライドストップをかけすぎるとすり減ってしまいます。

近々補強カスタムでもやろうかな・・・









ホールドオープン。
アウターバレル先端のふくらみは、バレルとスライドの溝をなくすため。
ちょっとダサいと思うのは僕だけでしょうか?







マガジン。
手前の黒がスペアで、奥のシルバーが付属。
バルブ周りはマグナブローバック特有のもの。
NLSが搭載されているらしく、銃を下に向けたり逆さにした状態で撃っても生ガスは吹きませんでした。
リップはマガジンと一体で亜鉛合金製。



実射性能は、現在でも十分通用するレベルです。
マグナブローバックの激しいリコイルはこのモデルでも健在。
撃つたびに握る手を揺さぶります。
とても10年以上前に登場したモデルとは思えないほどです。


命中精度については、簡単ですが屋外8mでテストしました。
発射弾数は3発、使用弾薬は東京マルイ製0.25g(非バイオ)で、気温18度。ほぼ無風コンディションでの依託射撃です。




グルーピング:59mm

ホップの効きが弱いのか、やや下方に着弾しましたが、集弾性能は十分実用範囲内かと思います。
ただし、8m以上の射程、例えば20mでの命中精度は未知数です。
いずれは実戦投入し、テストしてみたいと思います。

あと、そろそろ弾速計が欲しいです・・・


いかがでしたでしょうか?
最新鋭のコンバットオートもいいけど、たまには懐かしくて渋い銃もいいですよね。
ステンレスオートには日本刀のように鋭く、それでいて妖艶な魅力があります。
こういう銃はむしろ、凛とした女の子に握らせた方が映えるかもしれません。
あぁ、そういえば女の子には太すぎるグリップでした(笑)

実射性能は、まるで古さを感じさせない激しさがあります。
現在でも第一線で活躍できる、マグナの底力は健在。
キラキラ美しいからって飾っておくのはもったいないくらいです。

これからしばらくは、ショーティ40を存分に楽しむことにします。







  

Posted by Tommy 鷹志 at 23:48Comments(6)WA