2022年07月24日
マルシン S&W M49 HW Xカート
工業製品はある目的のために特化した結果、時に機能美と呼ばれる美しさを持ち合わせることがあります。
例えばF-22ラプター等のような最新鋭の第5世代ステルス戦闘機。
敵のレーダーに探知されにくくするよう、レーダー波を乱反射もしくは吸収するために特化したデザインは、丸みを帯びた独特の美しさを持ちます。
ジャケットドロー時の引っかかりをなくし、かつシングルアクションでも撃てるようにしたことで、特徴的なデザインを持つことになったM49ボディーガードにも、この機能美が当てはまると感じている次第です。
今回は、マイナーチェンジで久しぶりに再販された、マルシンのM49 ボディーガードをご紹介します。
実銃のM49は、アメリカSmith & Wessonが1950年代末期にリリースした、M36チーフの派生モデル。
"Camel Hump(ラクダのこぶ)"と呼ばれる、ハンマーを覆う大型化したハンマーシュラウドが特徴のJフレームリボルバーです。
実は意外にも、スチールフレームのM49より先に、アルミ合金フレームのM38が先行していました。
日本でM49ボディーガードと言えば、『あぶない刑事』のタカをイメージする人が多いのではないでしょうか?
一方マルシンのM49は、M36と共に長らくマルシンから発売されているロングセラー。
大小のアップグレードを経て、今回ついに完成形と言える最新仕様となりました。
ちなみにエアソフトガンでJフレームと言えば、タナカのペガサスに走るかマルシンのリアルカートに走るかで、巷ではよく議論(?)になります。
タナカは安定した性能、実銃に近いトリガーフィーリング、実銃用グリップの取り付けが可能というマルシンにはない魅力がありますが、残念ながらライブカートではありません。
個人的には、他の部分は犠牲にしても、やはりリボルバーはライブカートであるべきと思いますので、マルシンに走っちゃうんですよね。
さて、今回再販されたモデルは、ついにある部分が実銃同様にリアルになりました。
いつも通り、細部を見ていきましょう。
パッケージ。
箱は前回ロットから小さくなり、M36と共用になりました(モデル・仕様を記すラベルシールの位置をそれぞれ変えているようです)。
同梱物は取扱説明書とBB弾。前回ロットでオマケされていたスペアカートは、今回は含みません。
今回はバリエーションが複数ラインナップされておりましたが、当方はHW・ウッドグリップモデルを選択しました。
HWなので全体的にはマットな仕上げで、小さいのにずっしりとした重さが印象的です。
マズルまわり。
かつての8mmモデルのガワを使い続けている関係か、インナーバレルは独特な二重構造。
真鍮がまぶしいので黒染め推奨です。
トリガーフィーリングは最悪。
特にダブルアクションはひたすら重く、シアなどの内部メカと繋がっている感覚が全く分からないまま、力業でハンマーを落とす感じです。
シングルアクションはほぼ遊びがなく、ちょっと引けばすぐズドン、という印象。繊細さはゼロです。
グリップは木製で、個体ごとに色合いや木目が異なります。
フィンガーチャンネルはあるもののチェッカリングがなく、汗で滑ります。
また、小指がどうしても余ってしまうので、握り心地は良くありません。
グリップにガスタンクを内蔵しており、ガスはグリップ底部から注入します。
その関係で、グリップはどうしても太いものになってしまいます。
これぞボディーガードのチャームポイント、Camel Hump。
ハンマーを両側から覆い隠すことで、ハンマーが衣服に引っかかりにくくなりました。
実用性だけではなく、冒頭でお話した美しさも兼ね備えていると思うのです。
一方でハンマーへのアクセスは可能で、シングルアクションでの精密射撃にも対応。
ハンマーには成型時のバリが残っています。
ちなみに、シリンダーラッチはマルシン独自のマニュアルセーフティを兼ねていて、斜め後方に二段階で引くと安全装置がかかります。
ポリスリボルバーのように独立しておらず、外観を損なわない配慮は高評価ポイントです。
シリンダーラッチを前に押すと、シリンダーをスイングアウトできますが、これが固いんだわ。
トリガーやハンマーの動きもそうですが、マルシンの箱出し状態はとにかく各部が重く固いんです。
シリンダー内部は安全対策として空洞が設けられています。
Xカート仕様になってから、.38スペシャル弾のダミーカートが無加工で装填できるようになりました。
M36のレビューの際も触れましたが、こうやってモデルガン的な遊び方ができるのも、このXカートモデルの魅力です。
シリンダー前部から見える弾頭が、最高にエロいです。
右側面。
ここで気になる点が・・・。
成型時の不良なのか、サイドプレートに目立つ出っ張りを確認しました。
この個体だけなのか、もしくはマルシンのM49特有の仕様なのかわかりませんが、これは大きなマイナスポイントです。
さて、今回の最大のアップデートは刻印です。
前回ロットのオリジナル刻印が無くなり、実銃同様のリアル刻印となりました。
というワケで、M36の旧ロットと比較してみましょう。
左側面のトレードマーク。
マルシンの自社刻印がなくなりました。
右側面。
JAPANがUSAに。
さて、実射性能についても、完成形の域に達してきました。
いつも通り、東京マルイ製0.25gBBを5mから5発撃ってみた結果。
シングルアクションで3セット程繰り返しましたが、昔のマルシン製カート式リボルバーを知っている人からすれば、
『めっちゃ当たるやんけ!!』と言わしめるほどの精度を持っていました。
ダブルアクションではもっと散らばりますが、シングルアクションでここまでまとまるなら十分でしょう。
総評ですが、待った甲斐がありましたよマルシンさん。
サイドプレートの成型不良にはさすがにがっかりしましたが、
実銃同様のリアル刻印と、かつてのマルシン製カート式リボルバーではあり得ないほどの実射性能には驚かされました。
ついに最終進化系と呼べるほどの仕上がりになったと思います。
供給の不安定さと価格高騰は、仕方がないところではありますが、
マルシニストとしてはもっと普及して欲しいなと思う次第です。
それでは今回はここまで。次回もお楽しみに。
Posted by Top Gun at 13:11│Comments(2)
│マルシン
この記事へのコメント
レビュー、楽しく拝読いたしました。本日同品を購入し、
1人で悦に入っております(笑)。
今後も、レビュー、楽しみにしております。
1人で悦に入っております(笑)。
今後も、レビュー、楽しみにしております。
Posted by ホンダ ダダカズ at 2022年12月12日 13:28
ホンダ ダダカズ様
コメント頂き、有難うございます。
当方としてはマルシンのボディガード仲間が増え、嬉しい限りでございます。
不定期ではございますが更新して参りますので、拙いブログではございますが今後とも宜しく御願い申し上げます。
コメント頂き、有難うございます。
当方としてはマルシンのボディガード仲間が増え、嬉しい限りでございます。
不定期ではございますが更新して参りますので、拙いブログではございますが今後とも宜しく御願い申し上げます。
Posted by Tommy 鷹志 at 2022年12月13日 21:46
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