2019年06月23日
マルシン S&W M10 Xカート
昔ながらのクラッシックな逸品には、どこか懐かしくそれでいて洗練された、渋い魅力があるものです。
例えば老舗洋食屋のビーフシチューとか、昔のハードロックミュージックの名曲とか、定番のスコッチウイスキーとか、昔からあるのに未だに色褪せない魅力を持った逸品にどこか惹かれる自分であります。
アメリカの名門Smith and Wesson(以下S&W)のクラッシックリボルバーにも、同じような魅力を感じます。
現行モデルには、例えばインターナルロックの追加とかパフォーマンスセンターによるカスタムとか、今時の流行を感じることができますが、やはりS&Wのリボルバーは昔のクラッシックモデルこそ、渋くてカッコいいと思うのです。
S&W M10は、そんなクラッシックなKフレームリボルバーの原点とも言える基本モデルです。
飾りっ気のないシンプルなデザインは、19世紀の登場以来長らく愛され続けました。
そのM10を、マルシンがリニューアルし再販したのはつい先日のこと。
今回はM10 Xカートモデルをレビューします。
画像はアメリカで取材した"1905"モデル
画像はアメリカで取材したM10ブルバレル
S&W M10 "Military & Police"は、1899年発売のロングセラー。
その後発売される数々のKフレームリボルバーの原点となったモデルです。
M10というモデルナンバーがついたのは1957年で、それ以前のモデルはPre-M10と呼ばれています。
その名の通り、オートマチック拳銃が主流となる以前に、世界中の軍・警察で活躍した、38口径6連発の回転式拳銃で、日本警察でも米軍譲渡の軍用モデル(いわゆるビクトリーモデル)が使われているようです。
マルシンからは、以前M10のカート式ガスガンがモデルアップされていましたが、絶版の状態でした。
今回発売されたモデルは、そのリニューアル(近代化改修)モデル。
カートが最新のXカートリッジに進化し、シリンダーストップがライブ化されているとのこと。
Xカートは同社製M36チーフで非常に好印象でしたので、今回のM10のXカート化は個人的には嬉しい改良です。
今年の1月に告知があって、6月にようやくの発売です(恥ずかしながら告知は知らなかった!)。
それでは細部を見ていきましょう。
パッケージは昔ながらのシンプルな仕様。
本体はプラ袋にくるまれています。
付属品は取扱説明書とBB弾が少々。
今回はディープブルーABSをチョイス。
購入前は正直HWと迷いましたが、僕が購入したお店ではすでにHWが売り切れでしたので、即コレに決めました。
実銃はこっちのツヤありブルーイングモデルが主流ですのでむしろ満足でした。
表面仕上げは金色のカートが映り込むくらいピカピカの美しいブルーイング調のメッキ仕上げで、ガンオイルのシミまでリアルです。
バレル周辺。
今回はブルバレル仕様をモデルアップ。
(個人的にはブルバレルモデルではなく、先細りのスタンダードモデルが良かった・・・)
昔のモデルはどうやらオトナの事情で"SMITII & WLSSON(HとEが欠けている)"という残念な刻印がされていましたが、今回はその辺の都合はクリアしたようで、刻印表記は完璧です。
アウターバレルはフレームと一体型なので、派生モデルは出ないかも・・・
マズルフェイス。
インナーバレルがもろ目立ちなのが残念ポイント。ブルー液で黒染めするっきゃねぇな。
アウターバレルが二重構造になっていますが、これはインナーバレルをアウターバレルにねじ込み式で固定するため。
シリンダー。
箱出しの時点ですでにシリンダーストップによる傷が入ってます。
こればっかりは仕方がないですね。
トリガーまわり。
トリガーガードのパーティングラインは綺麗に消されています。
トリガープルはシングル・ダブルともに遊びがほとんどなく、ぐっと力を入れるとすぐに落ちる感じ。
個人的には悪くないフィーリングですが、なんだかS&Wっぽくない印象。
サムピースは後ろにパチンと押し込むとセーフティONになります。
マルイのM19みたいにマニュアルセーフティが独立していると激萎えなので、これはさりげなくて嬉しい仕様です。
スクエアバットなグリップはプラスチック製。
いろんな意見はあると思いますが、個人的には3インチ以上のリボルバーはスクエアバットのほうがバレルとのバランスが取れてて好きです。
純正のウッドグリップがオプションで同時発売らしいので、後程購入予定。
グリップ内部にはガスタンクを内蔵。
この構造の場合、実銃グリップをポン付けできない上、トリガーフィーリングがリアルにできないデメリットがありますが、その分シリンダー側でライブカートにすることができるので、一長一短があります。
ハンマーのノーズは可動式。
右側面。
S&Wのトレードマークがばっちり入ります。
フレーム右側面下部刻印。
MADE IN JAPANが残念ポイントですが、例のHとEがちゃんと刻印されています。
(ただし、流用しているらしい旧モデルの金型を修正した痕がありますが・・・)
ついにXカート化したシリンダーまわり。
やっぱりリボルバーはカート式に限ります。
スイングアウトの動きやシリンダーの回り具合がやや渋く、引っかかりを感じます。
フォーシングコーンの滑りの悪さが原因かも?
Xカートは最近の同社製M36チーフにも採用されているカッパーヘッド調。
もちろんM36チーフのカート(中央)と互換ありです。
Xカートシリーズのリボルバーは、ダミーカートをシリンダーに無加工で装填できます。
モデルガン的な遊び方ができるのはGOOD。
シリンダー前部から見えるカッパーヘッドが素敵。
M36チーフとツーショット。
こうしてみるとチーフって小さいですよね。
実射性能については、やはりカート式リボルバーなので限界はありますが、M36チーフ同様、従来のカート式モデルに比べれば弾道は安定しています。画像は5mから0.25g弾で6発撃った結果。一発ドロップして外しています。
気になった点は5mでもすでに弾道がドロップ気味なのと、初速が非常に低い(初夏なのにMAX35m/s)こと。
前者はこれからならしていけば多少はマシになるかもしれませんが、後者はリボルバーなので仕方ないですね。
とりあえず5mでA4サイズにはまとまりそうなので最低限遊べそうですが、サバゲーでの使用はギリギリまで接近しないと厳しいかも。
お座敷でニンマリするか、シューティングバーでお酒を飲みながら眺める使い方で落ち着きそうです。
久しぶりにマルシンが気になるモデルを出してくれました。
こういうクラッシックなモデルのリニューアルは大賛成なので、マルシンに限らず業界全体でこれからもどんどんやっていって欲しいと思います。
今回はここまで。では・・・
Posted by Top Gun at 23:33│Comments(0)
│マルシン
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