2019年11月17日
東京マルイ MEU Pistol
食わず嫌いとは、まさにこのことかも知れません。
恥ずかしながら、僕は長らく、所謂1911(ガバ)系オートに興味を持てないでいました。
昔から好きなのはもっぱらSIGやGlockなどのヨーロピアン9mmオート。どこか野暮ったさを感じるガバは完全にアウトオブ眼中でした。
友人が根っからの.45信者で、ガバの話は耳タコになるくらい何度も勧誘(?)を受けましたが、どこか上の空で聞き流しちゃっていました。
今やこの趣味に足を踏み入れて18年、世間ではアラサーと呼ばれる自分も、ようやくガバに魅力を感じるようになりました。
ようこそ大人の漢の世界へ、とはよく言ったものです。
今回は東京マルイのMEUピストルをレポートします。
コルトM1911は、1911年に米軍に採用された.45オート。
かの天才銃器設計者、ジョン・M・ブローニングによってデザインされた傑作です。
後の1924年に改良型のM1911A1となり、以降ベレッタM9に更新されるまでの70余年にわたり米軍の正式拳銃の座にあった、拳銃界のレジェンドです。
今から100年以上前に設計されたにもかかわらず既に完成されていたそのメカニズムは、多くの自動拳銃の設計思想に影響を与えました。
米軍主要部隊では既にベレッタにバトンタッチしたものの、一部ではM9に更新することを嫌い、M1911A1にこだわる部隊も存在しました。
米海兵隊のMEU(Marine Expedition Unit=海兵遠征隊)もその一つです。
M9は非常に洗練されたよく当たる銃でしたが、採用当時はスライド断裂事件もあり、その信頼性を疑問視する声がありました。
MEUは老朽化したM1911A1のフレーム以外をすべてカスタムパーツで組みなおし、運用するようになりました。
所謂MEUピストルの誕生です。
東京マルイは既出のM1911A1をベースに、MEUピストルを2008年にモデルアップ。
スプリングフィールドのスライドにノバックのサイト、パックマイヤーのグリップを装備したモデルをイメージしています。
それでは細部を見ていきましょう。
パッケージはデザートカラーで海兵隊のロゴも入ったマリンコ仕様。
中は前作のM1911A1のように布が敷かれていてゴージャスな印象。
付属品はBB弾と取り扱い説明書、ガバ系オートについてくるバレルブッシングレンチなど。
全体的には黒くマットな仕上げで、M1911A1のような古臭さはなく、精悍な印象。
カスタムガバらしくタクティコーでカッコイイです。
フルサイズガバなので思ったより長くスレンダーなスタイル。
スライド。
本体の塗装はブラストっぽいつや消し仕上げ。
刻印は彫ってあるというより飛び出ている感じ。
スライドストップノッチには摩耗対策もばっちり。
マズルまわり。
9mm口径にはないこの迫力に、あらためて45口径の大きさを感じます。
バレルブッシングやリコイルプラグは亜鉛合金製。
使い込むことで恐らく塗装がすぐ剥げるので、社外パーツに変えたいところ。
トリガーまわり。
ダストカバーやトリガーガードのパーティングラインはきっちり処理済。
当時は東京マルイらしからぬ(失礼!)丁寧な仕上げに感動した記憶があります。
シルバーで3ホールがいいアクセントなトリガーはプルが軽い。とにかく軽い。さすがシングルアクション。
ダブルアクショントリガーに慣れた僕には軽すぎて怖いくらいです。
当然ストロークも短く遊びはなし。
マグキャッチはM1911A1に同じ。
設計された当時はボトムマグキャッチが一般的だった中、ボタンタイプを採用したのはブローニングさんの機能性重視の設計思想か、はたまたその天才的な先見の明によるものなのか・・・。とにかくマガジンチェンジがしやすい優れたデザインであったのは言うまでもありません。
グリップはパックマイヤー風の3ピース構造。
中には錘が入っています。
表面はラバーっぽくコーティングがされていて、滑りにくくて良さげですが、後々ベタつきそうな予感が・・・。
個人的にはパックマイヤーはあんまり好みではないので、Kimberっぽいグリップに交換予定。
これぞガバ系オートの真骨頂、コックアンドロック。
シングルアクションにハンマーコックとか、もう殺る気満々な佇まい。
正直怖いなーって思っていましたが、よく考えたらグリップセーフティあるじゃない。
そう思えばGlockのほうがはるかにキケンかも知れません。
とはいえそれでも腰に挿してたらいつの間にかセーフティが外れてそうでヒヤっとしますが・・・。
マニュアルセーフティはアンビで操作性も抜群。
ファイアリングピンは六角ネジになっていてちょい萎えポイント。
ただしここは社外のドレスアップパーツが出ているので、リアル派の僕らはさっさと交換しちゃいます。
サイトはドットのないタイプで、所謂ドブテイル固定式なのでネジなどはダミー。
リアサイトにはノバック社正式契約なので刻印がばっちり入ります。
スライド右まわり。
本来は右側面にスプリングフィールドの刻印が入りますが、東京マルイ製はプレーン。
ここは刻印入りの社外製スライドに交換するか、刻印を入れてくれるショップに依頼するかしちゃいましょう。
ややシャンパンゴールドっぽい色味のマガジンは装弾数28発で、M1911A1とも互換性あり。
バンパーはボトムから六角ネジで固定するタイプなので、スピードリロードでマガジンを落としても構造上ガス漏れは起きにくそう。
ガバ系共通の通常分解は、最新のポリマーオートに比べればやや面倒かも知れません。
手順はまず、マガジンを抜き、チャンバーの残弾を抜いてから、スライドを写真の位置まで引き、スライドストップノッチ後部の切り欠きにスライドストップレバー後端を合わせて、スライドストップレバーを引き抜きます。
そうするとスライドが前に外れます。
ホップアップ調整はこの状態で行います。
スライドASSY中央(チャンバー下部)に見えるダイヤルを回して調整します。
次にリコイルスプリングガイド、リコイルスプリング、リコイルプラグを外していきます。
最後にバレルASSYを取り外しますが、その前にスライド前部のバレルブッシングを写真の状態まで回して前に引き抜きます。
付属のレンチを使えば簡単にできますが、素手でやると固くてなかなか大変でした。
フィールドストリッピング完了。
最新オートに比べれば部品点数も多くて煩わしいですが、100年前の拳銃と考えるとむしろ簡単で完成されていると感じます。
分解ついでにTop Gun流プチリアルカスタムをやっちゃいましょう。
リアル派にとって、マズルで金色に輝くインナーバレルは目立ちすぎて激萎えポイントです。
黒染めするという手が一般的ですが、既に互換性のあるコンパクトモデルが出ているフルサイズには、もっと画期的な技があります。
それが、フルサイズモデルのインナーバレルをコンパクトモデルのものに交換しちゃうという方法。
ガバ系で言えば、MEUのインナーバレルをデトニクスのものに交換しちゃうということです。
今回は手持ちのKM企画のデトニクス用TNバレルに交換します。
チャンバーASSYにある二つのプラスネジを緩め、ホップレバーとホップパッキンを外して、オリジナルのインナーバレルからTNバレルに付け替えてネジを締めなおすだけ。
交換した結果がこちら。
見違えるほどリアルになったと思います。
ちなみにこのカスタムをやっちゃうと、インナーバレルが短くなった分初速が落ちます。
お座敷シューターにはあんまり関係ないですが、ゲーマーには注意が必要かも。
ホールドオープン。
アウターバレルの塗装仕上げがなかなか金属感があってGOOD。
参考までに弾薬比較。
左がガバ系オートが使う.45ACP弾で、右が9mmパラ弾(いずれもダミーカート)。
9mmがひ弱に見えるくらいサイズ差を感じます。
撃ってみた感触としては、リコイルはやはり東京マルイの最新モデルと比較するとやや物足りない感じ。
ブローバックスピードもどこかもっさりした感じで激しさはありません。
気温20度を下回ると、やはり息切れする感じがします。
初速はマガジンを人肌程度に温めて、70m/s弱といったところ。
今回このモデルはカスタムベース機として購入したので、ここからどれだけ性能UPできるか楽しみです。
命中精度は申し分なし。
いつも通り8mで0.25gを5発、2セット程撃ってみましたが、箱出しでよくまとまります。
いやー、カスタムガバっていいですね。
こんなにかっこいいとは思いませんでした。
操作性も抜群で、それでいてダンディーでクールなデザイン。大人になってようやくその魅力に気づきました。
温故知新ってやつですかね(遅ぇよ笑)。
今思えば、例えば『あぶない刑事』のダンディー鷹山とか、『東京DOGS』の高倉奏とか、『ジョン・ウィック2』のジョン・ウィックとか、スーツが似合うイケてるメンズたちはみな黒いカスタムガバを使ってました。
なんでもっと早く魅力に気づかなかったんだろう・・・
というワケで今回はここまで。では。
Posted by Tommy 鷹志 at 15:09│Comments(0)
│東京マルイ
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