2017年12月09日
SIG Sauer M11-A1 試作 (東京マルイ P226E2ベースカスタム)

実戦でガンガン使える、SIG P220系コンパクトオートは、僕にとって憧れでした。
東京マルイのP228(エアーコッキング)を手にして以来、SIG Sauerのオートに魅了され、長らく愛機として使ってきました。P228は自分にとって程よいサイズで、その洗練されたデザインが大好きでした。
しかし、満足のいくP220系コンパクトのブローバックガスガンをモデルアップしているメーカーは皆無に等しいのが実情です。
国内で唯一モデルアップしているタナカワークスのものは、ルックスの再現度は100点満点なのですが、初期タイプのマグナブローバックエンジンかつ構造上ガス漏れしやすいマガジンなど、あまり信頼できる代物ではありません。
おまけに比較的高価な上、今となっては絶版で入手困難です。
一方、天下の東京マルイはもはやモデルアップする気すらなし。P226 Railの初期のマガジンは分割式で、P220系コンパクトへ派生するためのデザインではないかと期待したものですが、そのマガジンすら絶版となった今、望みは薄いでしょう。
もはや諦めるしかないのか・・・
そんな時、僕にものづくりの神様が降りてきました。
ないものは、腕があるならつくってしまえ。
こうして、長年の構想をカタチにする時がやってきました。
今回は、東京マルイ製P226E2をベースに、SIG系コンパクトオートを製作した過程を記録させて頂きます。
■構想&機種選定

サバゲーやタクトレなど、実戦で使えることが前提ですので、東京マルイのP226E2をベースに開発しました。
P220系コンパクトといえど、P228やP229など魅力的なモデルが複数あります。
個人的に一番好きなP220系コンパクトはP228なのですが、今回はベースのP226E2(削り出しスライドモデル)に比較的スライドのデザインが近い、M11-A1を選定しました。
M11-A1は近年SIG Sauerが発売した、米軍納入モデルのP228(U.S. M11)の民間モデルで、レールなしのフレームに削り出しスライド装備の最新モデルです。
P226E2のスライドとフレームを切り詰め、エキストラクターの形状を変更すればイケるとの判断です。
■試作
まずはスライドとフレームを作りこんでいきます。
東京マルイのP228をサイズのベンチマークに、切り詰めるサイズを決め、プラスチック用のこぎりで切り落としていきます。
さらに今回は、留学時代にアメリカで買った実銃雑誌に偶然M11-A1の実寸写真が載っていたので併せて活用しました。
最初にスライドを3つにカット。
真ん中の不要部分を取り除き、接着していきます。
接着前に補強材を埋め込みます。
細めの六角レンチを適当な長さにカットし、ライターで熱してから埋め込み、スライドを耐衝撃タイプの瞬間接着剤で接着します。
さらにスライド断裂対策に、側面・上部にホッチキスの針を打ち込みます。
針の長さをスライドの厚さに合わせてニッパーでカットしたら、側面に各7本、上部に5本の計19本をスライドに埋め込み、瞬間接着剤で仮止めします。
その上をエポキシパテで埋め、カッターナイフで粗削りしてから紙やすりで表面を整えます。
大型化したエキストラクターは、缶詰のフタを切り出して作製しました。
スライド右側面のエキストラクター部分を削ってから、瞬間接着剤で接着します。
次にフレーム。
東京マルイのP228を目安にダストカバー先端とマグウェルをカットします。
難関がトリガーガードの延長加工。
P226のレール付きモデルとP220系コンパクトのトリガーガードは、形状・大きさともに異なっているため、加工が必要です。
まずはトリガーガード前部をカット。
ここにも補強材を埋め込んだら・・・
エポキシパテと瞬間接着剤で接着・固定します。
あとはカッターナイフと紙やすりで形を整えます。
そしてダストカバーのノンレール加工。
やすりで粗削りした後、エポキシパテを盛り、不要な部分を削って形を整えます。
ミニリューターを使うとより早く作業を進められます。
この他、グリップ取り付けに必要なねじ受け皿を移設したり、ダストカバー内側をエポキシパテで埋めたりといくつかの加工を経た後、全体をやすり掛けします。
やすり掛けは表面を綺麗にするためには最も重要な工程で、納得がいくまで丁寧に根気よく続けます。
このやすり掛けを怠ると、塗装後の仕上がりが悪くなります。
最初に金属やすりやミニリューターで粗削りした後、300番→600番→800番→1000番→2000番・・・と、目を細かくしながらやすり掛けしていきます。
やすり掛けが終わり、形が整ったら塗装していきます。
今回は耐久性を重視し、3層の塗膜で仕上げます。
左から、下塗り(アサヒペン プラスチック用プライマー)→本塗装(インディ パーカーシール)→上塗り(カンペハピオ シリコンラッカースプレー)の順に塗装していきます。
それぞれ24時間の完全乾燥後、順に吹き付けて塗装しました。
塗装のコツは、焦らないこと。
塗りたいものから30cm以上離して、一気に塗らずに少しずつ、シュッシュと吹き付けていきます。
塗装の際はクサいので、十分換気しながら進めましょう。
スライドとフレームが仕上がったら、その他部品を加工していきます。
アウターバレルはカット後、スライド、フレーム同様にやすり掛けして塗装。
リコイルスプリングガイドは金属用のこぎりでカット後やすり掛けし、キャロムショットのガンブルーペンで黒染め。
ショート化に合わせ、リコイルスプリングも2~3巻き程度カットしています。
インナーシャーシは、そのままでは短くなったスライドに干渉して、ホールドオープンに必要なスライド後退量が確保できなくなります。
そこで金属用やすりを使い、ゴリゴリ削ってできるだけ短縮化していきます。
インナーシャーシを極限まで削っても、やはり実銃同様のスライド後退量が確保できませんでした。
このためスライドストップレバーが上がらず、ホールドオープンできません。
そこでスライドストップレバーに一工夫。
写真のように、スライドとかかる部分をミニリューターのダイヤモンド砥石で削り、後退できなかった分の長さを稼ぎます。
同時に、スライドストップノッチもやや広げました。
すべてのパーツの加工が終わったら、組み立てていきます。
グリップはとりあえず手元にあった、東京マルイのP228のグリップを加工して取り付けました。
本音を言えば実銃の純正グリップを取り付けたかったのですが、そんなものが日本で簡単に手に入るワケもなく断念・・・
(ヤフオクとかにたまに出回っているみたいですがなんだか胡散臭かったのでスルー)
フレームが短くなった分、P226のマガジンでは長くてはみ出てしまいます。
しかし、東京マルイのP226エンジンに対応する、P228のマガジンなんてあるはずない・・・
と思いきや、とあるお店にWEのP228用マガジンが転がっていたので即購入。
WEのP226・P228は、東京マルイと互換があるようです。
フルメタルのため本体はまず日本で出回らないはずのWE製P228の、なぜかスペアマガジンだけがあるという謎。
僕みたいな特殊なケースでしか需要がないはずなんですが・・・ともかく助かりました。
他にも、P226の旧マガジンをP228のマガジンにコンバージョンするキットとかも、PRIMEから出ているようです。
ともあれ、試行錯誤の末理想のP220系コンパクトが完成しました。
長年練ってきた構想が、ようやく形になりました。
感無量とは、まさにこのこと。
実射テストも問題なし・・・どころか、P226E2譲りの鋭いリコイルショックに思わずニンマリしてしまいました。
これはイイ・・・!!
命中精度については、やや右に着弾するものの、10mでも良好。
うましか辛口を入れていますが、もう少し調整が必要かも。
初速については、インナーバレルがデトニクス用で短いので50m/s台と低め。
まぁこれでロングレンジを狙うわけではないので良しとしましょう。
スライドトップのSIGマークはオミット。
アイアンサイトはDYTACのルミナスナイトサイト。
実銃のSIGLITEナイトサイトには及びませんが、ローライトコンディションでの戦闘にもある程度対応します。
別パーツのエキストラクターも、思ったよりいい出来です。
撃ち尽くした後のホールドオープンもバッチリ。
■今後の課題
無事に試作機が仕上がったとは言え、まだまだ満足のいくものではありません。
スライド・フレームともに、僕には刻印を入れる技術がなく、今回は断念しました。
一応針とリューターで挑戦しましたが、字が歪みとても綺麗とは言えない仕上がりに・・・
いつも驚くほどに綺麗に打刻されるミリブロガンスミスの皆様には、本当に脱帽です。
また、リコイルスプリングガイドの穴も、手持ちの道具では再現できず断念。
スライドの補強材埋め込み後のやすり掛けも甘く、デコボコしてしましました。
インナーシャーシの長さの関係でスライド後退量が甘く、結果スライドストップノッチをやや広げて対応せざるを得ませんでした。
実用上まったく問題はありませんが、リアリティという点ではイマイチといったところ。
まだまだ課題は多いですが、今回の試作は、まさにこれらの技術的課題を洗い出す「研究用」の意味合いもあります。
その点では、自分ができる技のレンジを探れたので非常に有意義だったと思います。
ともあれ、やっと実戦で使えるP220系コンパクトをカタチにすることができました。
次は今回の経験と反省を踏まえ、さらにクオリティーの高いものを作ってみたいと思います。
ではまた。
Posted by Top Gun at 21:51│Comments(6)
│カスタム
この記事へのコメント
プロモデラーの作例を参考に「面」と「エッジ」を意識してヤスリ掛けをするとよりシャープに仕上がると思います。
塗装もできるだけ薄く仕上げればより良くなりますよ。
塗装もできるだけ薄く仕上げればより良くなりますよ。
Posted by たかゆき at 2017年12月10日 20:12
たかゆき様
コメント有難うございます。
今回はやすり掛けが思うようにいかず、大変勉強になりました。
ガンスミスとしてはまだまだ未熟者ゆえ、これからも精進して参ります。
コメント有難うございます。
今回はやすり掛けが思うようにいかず、大変勉強になりました。
ガンスミスとしてはまだまだ未熟者ゆえ、これからも精進して参ります。
Posted by Tommy 鷹志
at 2017年12月11日 18:51

初めまして。ハイパー道楽様のカスタムガンコンテストで御作を拝見しました。
こちらのP228ですが、フレームのグリップ部分は、マグウェル部分を切り落としただけでしょうか?P226とP228でスクリュー同士の間隔が異なると思っていたので、フレームの中ほども短縮していると思ったのですが、違うのでしょうか?
こちらのP228ですが、フレームのグリップ部分は、マグウェル部分を切り落としただけでしょうか?P226とP228でスクリュー同士の間隔が異なると思っていたので、フレームの中ほども短縮していると思ったのですが、違うのでしょうか?
Posted by Arcana at 2018年11月02日 18:48
Arcana様
コメント有難うございます。
グリップスクリューの位置は、おっしゃる通りP226とP228で異なるため、今回の作成にあたり位置を変更する加工を施しました。グリップフレームに盛りパテしてから、P228のグリップのネジ位置に合わせてネジ受け皿を移植しております。
コメント有難うございます。
グリップスクリューの位置は、おっしゃる通りP226とP228で異なるため、今回の作成にあたり位置を変更する加工を施しました。グリップフレームに盛りパテしてから、P228のグリップのネジ位置に合わせてネジ受け皿を移植しております。
Posted by Tommy 鷹志
at 2018年11月03日 22:35

初めまして。私もハイパー道楽の企画でこちらの作品を知りました。
フレーム後部についてなのですが、マグウェルを切断し、グリップスクリュー用の受け皿を増設しただけでしょうか?
マグウェル切断に伴い、ハンマーSPハウジングなどを引っ掛ける出っ張りまで切ってしまいそうだと思ったのですが、ギリギリ足りたのでしょうか?
フレーム後部についてなのですが、マグウェルを切断し、グリップスクリュー用の受け皿を増設しただけでしょうか?
マグウェル切断に伴い、ハンマーSPハウジングなどを引っ掛ける出っ張りまで切ってしまいそうだと思ったのですが、ギリギリ足りたのでしょうか?
Posted by B7R at 2019年02月20日 14:17
B7R様
コメント有難うございます。
ご推察の通り、マグウェルのカットに伴い、グリップスクリューの受け皿を移設しております。
ハンマーSPハウジングを引っかける突起を失うことなく短縮化できましたが、P228のグリップがフィットするよう端部のやすり掛け等、若干の微調整は行いました。また、ハウジング本体はE2のものを使用しています。
コメント有難うございます。
ご推察の通り、マグウェルのカットに伴い、グリップスクリューの受け皿を移設しております。
ハンマーSPハウジングを引っかける突起を失うことなく短縮化できましたが、P228のグリップがフィットするよう端部のやすり掛け等、若干の微調整は行いました。また、ハウジング本体はE2のものを使用しています。
Posted by Tommy 鷹志
at 2019年02月21日 22:52

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