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Posted by ミリタリーブログ at

2018年12月30日

東京マルイ H&K USP GBB





世の中、普通なものほど万人ウケするものです。
逆に、個性強すぎなものは、コアなファンは一定数獲得できるものの、誰にでもウケるものとは限りません。

今やドイツはおろか世界的な一流銃器メーカーとなったHeckler & Koch社(以下H&K)も、特にハンドガンにおいては、かつては他社と一線異なる独特な味付けをするメーカーとして知られていました。

HK4に始まり、P9S、VP70、P7と、どれもデザイン面・機構面において個性的で魅力のある銃ですが、ハンドガンのメインストリームとなるにはいささかマニアック過ぎました。

そんなH&Kが、個性的な味付けはほどほどに、実用的モデルを世に送り出したのが今からおよそ25年前。
後のH&Kのハンドガンの基礎となる、USP(Universal Self-loading Pistol=汎用自動拳銃)の完成です。

そんなH&Kのフラッグシップを、発表からおよそ4年の歳月をかけ、東京マルイが2018年にモデルアップしました。
今更ではありますが、今回は東京マルイのUSP GBBをレポートします。





画像はアメリカで取材した実銃

実銃のUSPは冒頭の通り。
1993年の登場以来、現在も発売されているベストセラーです。
口径は9mmの他、.40S&W、.45ACPがラインナップされています。

USPと言えば、個人的にはやはり『トゥームレイダー』。
アンジェリーナ・ジョリー演じるララが、スタビライザー付きのマッチモデルを2丁拳銃でバリバリ撃ちまくっていたのが印象的でした。

.45口径モデルであれば、トム・クルーズの『コラテラル』もカッコよかったですね。
2人の強盗相手に、ジャケットドローからのモザンビーク・ドリルが痛快でした。

最近の国内メディアでは、警察ドラマの『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』で、メンバー全員が装備。
プロップはタナカのモデルガンベースでしょうか。
発砲こそなかったものの、小栗・西島のイケメンコンビとUSPの組み合わせがカッコよくてしびれました(実は今回USPが欲しくなった理由の一つでもあったりして笑)。

東京マルイからは、以前からエアコッキングと電動が発売済でしたが、この度ついにGBBが登場。
先行するUSPコンパクトをベースに、最新技術がふんだんに投入されています。
(にしても発表から発売までが長すぎるよ~っていう不満は前回のGlock19の記事でゲロってるんで今回は割愛で。。。)

ではいつも通りパッケージから見ていきましょう。





パッケージ。
実にドイツっぽい黒さが素敵。
デザインがドイツ軍のマークを連想させます。






内装も最近の東京マルイらしくてお洒落。
銃が搬送時にぐらつかない工夫がされている点もGOOD。








手にしてみるとやっぱり、ドイツらしい武骨で大柄な印象。
最近はどちらかと言えばコンパクトな銃を握ってばかりだったので、フルサイズってこんなに大きかったっけ?とびっくりです。






スライド。
塗装はラメ入りの、黒に限りなく近いダークグレー。
刻印はやや太めですが、実銃もまぁこんなもんかと。

ダストカバーには、元祖マウントレールが。
現代の感覚ではそりゃピカティニー規格がマストですが、控えめな中でも先進性を取り入れたH&Kには脱帽。

個人的にはハンドガンのピカティニーレールは嫌いなので全然問題ないっす。

ちなみに、オマケでピカティニーレールのアダプターが付属します。
(僕は使いませんけど笑)






マズルフェイス。
アウターバレルはやや肉薄で、控えめにポリゴナルライフリング。
リコイルスプリングガイドは定番の亜鉛合金製で、塗装の剥げが心配。







トリガーまわり。

グローブをはめても操作しやすいよう、トリガーガードはやや広め。
個人的にはコンパクトよりもフルサイズの形のほうが好みです。

やや細めのトリガーは、プルの重さ・キレ・リセットまでの距離も軍用銃としては平凡。






グリップはやや太めで、手の小さい日本人にはちょい握りにくいかも。
当然、USP以降のH&Kハンドガンの代名詞といえる、アンビのマグキャッチレバーは親指での操作は至極困難。
Glockなどのボタン式に慣れている人間にはややツラいですが、人差し指で操作するように慣れれば問題ナシです。

前後にチェッカリングが入っていて、滑るようなことはなさそう。






北米市場を意識して、1911系と同じ配置にされたマニュアルセーフティ。
USP通常モデルはいわゆるバリアント1のセッティングで、上げてセーフティON、水平でセーフティOFF、下げてデコック。
デコックすると、ハンマーはハーフコック位置となります。
こっちも使い込むうちに塗装が剥がれてきそうで心配。






リアまわり。
USPコンパクトにて再現されたモールドのファイアリングピンは、フルサイズにも見事に継承。
リアサイトはホワイトドットが2点。







やや小さめにホワイトドットが入れられたフロントサイト。
固定はネジではなくはめ込み式っぽい・・・?
いずれは社外パーツ(蓄光サイト)に交換したいところ。





モールドから脱却し、金属製の別パーツとなったエキストラクター。
ついに東京マルイもこういうニクい仕事ができるようになったんだなぁ~、と一人しみじみと感動。

一方で相変わらずのフレーム自社刻印ですが、今回は実銃の書体を意識して控えめに入れているのでまぁヨシとしましょう。
一体社外製リアル刻印フレームはいつになったら出るのやら・・・。






フレーム下部。
ちゃんと取扱説明書を読みましょう。






マガジンの装弾数は25発。
マグバンパーにはH&KのロゴとUSPの刻印。
USPコンパクト同様、大き目のスリットからBB弾が流し込める上、フォロワーの形状がBB弾を定位置に配置するのに適したカタチとなっていて実用的。
ただし、実銃同様、USPコンパクトとの互換性はありません。





通常分解は、いつも通りまずマガジンを抜いてチャンバークリアしてから、画像のようにスライドストップノッチをスライドストップレバーの軸まで合わせ、スライドストップレバーを引き抜いて行います。
フレーム右側面のボタン(厳密にはスライドストップレバーの軸)を押しながら引き抜くと簡単です。






通常分解。
工具なしでここまで分解可能。






スライドには迫力の15mm大口径シリンダー搭載。






スライドストップは最近の東京マルイ独自の機構。
内部の独立したレバーがスライドのブリーチに噛み合うことで、スライド外側のプラノッチをすり減らさないというワケ。
リアリティを犠牲にしていますが、道具としては非常に実用的かと。






ホールドオープン。
独自機構のおかげでノッチ摩耗の心配なくバシバシホールドオープンできます。






さて、期待の実射性能ですが、驚きのパフォーマンスを見せてくれました。
テストした今日は2018年最後の寒波が直撃。大阪でも外気温3℃と、帰省ラッシュに影響が出るほどの寒さという、ガスブロにとっては最悪のコンディションでした。
昔のガスガンであれば、すぐに生ガスを噴いて使い物にならなくなりますが、USPは違いました。

なんとマガジンが冷え冷えでも東京マルイ製Glock17クラスのリコイルと作動を維持し、ちゃんとホールドオープンするのです。

これは夏に化ける。
そう思いながらマガジンを十分温めて撃つと、恐らく東京マルイGBB史上最高クラスであろうリコイルショックとスライドスピードが僕の手を直撃。思わずニンマリしてしまいました。
そのリコイルは、先行するUSPコンパクトを凌駕しています。

初速は人肌程度に温めて68m/sくらい。
夏には70m/sくらいは出るでしょう。






命中精度についても、いつも通り計測。
もはや8m程度では何の心配もいらない精度です。
いずれはロングレンジでも試してみたいところ。

総評ですが、これは個人的にはツボでした。
2018年1月の発売時は諸事情で泣く泣くスルーしましたが、やはり買ってよかったです。
冬でもこんなに元気に動くGBBハンドガンは、これまで経験したことがありません。
何より、十分温めた時のリコイルショックは感動もので、撃っていて非常に楽しいです。

気になる点があるとすれば、マルイ自社刻印や金属パーツの塗装剥がれ、そして社外カスタムパーツの少なさくらいです。
なんで今更USP?などと、東京マルイの機種選定を問題視する声も耳にしますが、個人的には例えばSIG P228など、今ではクラッシックと言える銃を最新技術でじゃんじゃんモデルアップしてもらいたいので、むしろ大歓迎です。
(P320とか、最新のポリマーオートに全く興味ないんですよ・・・笑)

USPファンでなくても、これは買いです。


思えば、2018年は個人的にGBBが豊作だったと思います。
東京マルイに限ればUSPに始まり、M45A1(買い逃し)、89式(買い逃し)、そしてGlock19と、魅力的なモデルが連続で発売。
タナカワークスからもP220 ICが電撃発表されるなど、平成の終わりにふさわしい、非常にワクワクした一年でした(その分非常に散財した一年でもありましたが笑)。

来年もV10など、期待の新作が登場します。
いい年になりますように。



【おまけ】






フルサイズモデルで僕がよくやるプチアレンジをご紹介します。
リアル派ガンマニアであればげんなりするであろう、金色に輝くインナーバレルを目立たなくします。

コンパクトモデルであればバーチウッドのブルー液で黒染めする程度ですが、フルサイズモデルであればより短いコンパクト用のインナーバレルに交換してしまうという方法があります。

初速は多少犠牲になりますが、個人的にはあまり気にならないので多用しています。






まずアウターバレルからインナーバレルを取り外し、






ネジを緩めて分解します。





そしてコンパクト用のインナーバレル(社外製)に交換します。
上が純正、下がKM企画のUSPコンパクト用。

インナーバレルを物理的に短くすることで、マズルから見える量を減らそうってワケです。






組立。
問題なくフィットしました。
あとはアウターバレルに組み付けるだけ。






インナーバレル交換後のマズルフェイス。
金色のインナーバレルが見えなくなりました。
これだけでも、雰囲気が大きく変わります。

分解組立に多少自信のある方は、自己責任でお試しあれ。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ガスガン 東京マルイ H&K USP
価格:14190円(税込、送料別) (2020/11/16時点)




撮影協力:HIDEOUT


  

Posted by Tommy 鷹志 at 01:07Comments(4)東京マルイ