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Posted by ミリタリーブログ at

2018年10月27日

東京マルイ Glock19




『もし一丁だけ拳銃を持てるならば、どれを選ぶか?』

平和な日本に生息するガンマニアという生き物にとって、恐らくこれほど悩ましい問いはないでしょう。かつての僕であれば、徹夜で一晩悩んでも一つに絞ることはできなかったと思います。

今の僕なら、迷わずGlockを選びます。

この趣味をはじめて気が付けば17年、あらゆる拳銃を見てきましたが、Glockほど自分の手にしっくりきた銃はありません。デザイン、操作性、安全性、信頼性、火力、拡張性。どれをとってもこれほど魅力的で洗練された銃はないでしょう。

特に9mm口径のGlock19は、大きすぎず小さすぎず、バランスが取れたちょうどいいモデルで、ミリポリからシビリアンまで、安定して人気のある銃です。
オープンからコンシールドまで、オフェンスからディフェンスまで、あらゆるシチュエーションに対応できる、まさに『一丁だけ』選ぶとすれば最も相応しいコンバットオートだと個人的には思います。

そんな注目の人気機種を、ついに、やっと、、ようやく、、、東京マルイがモデルアップしました。
今回は、首を長ーくして待っていた方も多いであろう、東京マルイの最新作、Glock19をレポートします。










画像:アメリカで取材した実銃

実銃のGlock19は、1988年に登場。
フルサイズのGlock17の長かったスライドとフレームが切り詰められ、コンパクトになりました。それでも、当時のフルサイズオートとしては標準的な15発のキャパシティーを誇り、発表から30年たった今なお人気は衰えず、進化を続けています(現行はGen 5)。

個人的には、Glock19は人生で初めて撃ったポリマーオートなので思い入れがあります。
事前に練習で撃ったメタルフレームの9mmオート(M1911系)よりリコイルが断然強く、強烈な印象を残しました。ちなみに上の画像は、アメリカ駐在任務中の2016年当時に取材した知人所有の個体です。










トイガンとしては、国内メーカーはKSC、海外メーカーはWEやVFC(UMAREX、旧Stark Arms)からモデルアップされており、真新しさはありません。

ただし東京マルイは、なぜかGlock17を出して以来、フルサイズベースの派生機種(カスタム、18C、22、34)ばかりを出すだけで、Glock19を出す気配は長らくありませんでした。やはりサイズ違いのコンパクトとなると新規設計となり、工数、人員、そしてコストがかかる大きな仕事となります。そこに投資をするだけのキャパがなかなか捻出できなかったのではないかと、いらん心配をしてしまいました。

皆が諦めかけていた2016年11月、突如発表となり、期待に胸が高まった方も多かったのではないでしょうか。あれから2年、まだかまだかと待ち続け、ついに手にする時がやってきました。

(あぁでもこの2年がとっても長かった。M&P9やらフルサイズUSPのあたりから巷でよく言われていることですが、最近のマルイさんはGBBハンドガン新製品の一発目の発表から発売までが長い長い。白樹脂モックアップからの焦らし攻撃やめてよマルイさん笑)

おっと心の声が漏れてしまった失礼。何も知らない若造がエラそうに文句言ってすんません・・・。待たされすぎて不満タラタラですが、よくよく考えたらそもそもエアガンメーカーって、会社規模からしたら中小企業クラスがほとんどです。当然、リソースやキャパ的に見て、そう簡単に新製品をポンポン出せるわけではありません。むしろ、毎年なんらかの新製品を発売している東京マルイは頑張っている方。ファンとしては、期待しすぎずに気長に待ちましょう。

さて、無駄話はこのくらいにして、本体を見ていきましょう。











パッケージ。黒っぽくて精悍な印象で、プロのツールっぽいGlockにはピッタリ。
最近の東京マルイの梱包は非常に丁寧で、かつてのトイガンのような白発泡スチロールは極力隠す工夫がされています。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

持ってみた印象ですが、これまでの東京マルイ製Glockでは考えられないくらい丁寧で、細部までこだわり抜かれたディティールで、実銃の雰囲気にかなり近づいています。重量についても実銃とほぼ同じ640gで、まるで実銃を手にしているかのような緊張感を感じました。









上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

スライド。
表面仕上げが従来のGlockシリーズのようなプラ感丸出しのつるつるではなく、実銃のようにサンドブラストのような梨地仕上げとなり、リアリティが向上しています。
刻印は彫りの深さや太さ、書体が若干異なります。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

マズルフェイス。
銃口とリコイルスプリングガイドとの位置関係、アウターバレルの太さ、そして控えめに入れられたポリゴナルライフリング。どれをとってもほぼ完璧に再現されています。強いて言えば、リコイルスプリングガイドがプラ製ではなく従来同様亜鉛合金製っぽいので、いずれは塗装が剥げていく点が残念ポイント。まぁ耐久性を考えたら仕方がないか。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

フレーム。
東京マルイ製Glock伝統の、シリアルプレート型マニュアルセーフティは健在。場所を取らない画期的なアイディアだとは思いますが、リアリティで考えると微妙。しかも撃っていると勝手にかかる恐れもあるので、いずれ社外パーツでオミット予定です。
Gen3以来のダストカバーのレールもきっちり再現。自分は残念ながらウェポンライトを持っていないので、実物パーツがきっちりはまるか未検証ですが、巷の様子だと大丈夫そう。








マグウェルは実銃同様、後端に向かってやや斜めに切り落とされた独特のデザインをばっちり再現。Glockのトレードマークも完璧。
表面仕上げはやや光沢がある気がします。







新型Glock19では、これまでモールドだった複数の部品が別パーツ化しました。
まずロッキングブロックピンが、別パーツにて再現。







チャンバー付近。
エキストラクターもついに金属製別パーツ化しました。
これまでのモールド再現から、ついに脱却成功。







チャンバー内には、最近の東京マルイ製GBBハンドガンで定着しつつある、最新式のHOPダイヤルを装備。これでいちいちフィールドストリッピングしなくても調整可能に。







スライド後端のカバープレートも樹脂製でしっかり別パーツ化。
ここまで、リアル派の諸兄が最も唸ったであろう新仕様の盛り合わせです。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

ただし、相変わらずの残念ポイントもあります。
フレームの刻印は相変わらずメーカーオリジナル。
ここは恐らく東京マルイのポリシーだと思いますので、今更とやかく言いません。
ガーダーあたりのリアル刻印フレームの発売まで辛抱強く待ちましょう。








フロントサイトはネジまで見える仕様に変更。
取り付け方など見た感じ、既存のパーツと互換性がありそう。

【2018.10.28追記】

僕と同時に新型Glock19を購入した後輩から、衝撃の写真が送られてきました。







なんと、買ったばかりなのにフロントサイトのホワイトドットが剥がれているではありませんか!

どうやら調べてみると、発売数日で、ネットを中心に同様の不具合発生の報告が複数確認できます。
軽く爪を立てた程度で剥がれたようで、初期ロット特有の不具合かもしれません。

従来のGlockシリーズのフロントサイトも、使い込めば次第に剥がれていくようなことはありましたが、買って早々に発生なんて聞いたことありません。

僕の個体はまだ大丈夫そうですが、いずれ剥がれていくのは目に見えています。

幸い既存のパーツと互換があるため(確認済み)、17純正のナイトサイトか、サードパーティのパーツに手っ取り早く換装しちゃいましょう。
そしてマルイさん、もし僕の乱文をご覧頂けているならば、次回ロットでは剥がれ対策を実施願います。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

ホールドオープン状態。

ちなみに、上の2枚の画像を見比べて違和感を覚えた人はたぶんGlockマスター。
よく見るとトリガー後退位置が違いますね。
実銃はスライドが前に戻る際にトリガーが前進する(つまり、スライドが後退しただけではトリガーは前進しない)のですが、ほぼすべてのGBBハンドガンでは、スライドを少し引いただけでトリガーが前進してしまいます。
これは実銃との構造の違いからくるもので仕方がないのですが、リアル派としては、いつか実銃と同じトリガーの動きをするモノが現れてくれないかと願うばかりです。

トリガープルはやはり実銃より軽いものの、Glockらしい引きやすくカチッとした引き心地。遊びの長さが気になる方は、後に出るカスタムパーツで好きなように弄っちゃいましょう。








フィールドストリッピング。
これまでのGlockシリーズと同様の手順で行います。

マガジンを抜いてスライドを引き、チャンバーの残弾なしを確認したら、スライドロックを下げてスライドを取り外します。
ただ、スライドが硬くてなかなか外れません。
ある程度使いこんでなじむまでは、少々コツがいりそうです。










新設計のスライドとエンジン。
USP他モデル同様、直径15mmの大口径シリンダーがついに実装されました。
後程、従来のGlockとの違いを見ていきます。








リコイルスプリングASSYも新設計。
バッファーが新たに追加され、強烈なリコイルから本体を守ります。
フロントにも樹脂パーツ(アウターバレルガイド)が付きました。これがブローバック時、バッファーとぶつかり緩衝材となり、スライドとフレーム双方への衝撃を軽減するというワケ。
これは耐久性UPの予感。








バレルASSYはHOPダイヤルの設計変更で、全くの別物に。








スライド前端の強化パーツは大型化されています。
これで前端クラックの心配は低減するはず。











スライドストップノッチは、従来のピンタイプからブロックタイプに変更され、摩耗対策が施されています(しかもよく見るとノッチから若干ブロックがはみ出てる笑)。
ただし、スライドストップリリースレバーは従来のものと同一(つまり、ブリーチに噛み合うような最新の設計ではなく、ノッチにそのままかかるタイプ)のため、やはりガンガン使い倒した時は多少の摩耗は仕方がないかと。








マガジンも当然新規設計。
残弾孔のモールドがよりリアルになりましたが、底板の固定が従来のネジで止める方式から、2本のピンで止める方式に変更されています。
これはリアリティ的にも耐ガス漏れ性能的にも、ちょっと残念ポイントかな。

■従来モデルとの比較・互換性








さて、ここからは従来モデルとの構造の違いを見ていきましょう。
今回は、参考までにGlock17と比較します。
ただし、見ての通りノーマルとは程遠いカスタムモデルなのはご愛敬ということで。







スライド・エンジンまわり。
シリンダーの長さはほぼ同じに見えますが、口径とマガジンと接続するガス流入口が拡大されています。







スライド前端の補強パーツは大型化。







リコイルスプリングガイドにはバッファーがつきました。
先端の樹脂パーツも大型化し、衝撃によるダメージを軽減します。






バレルASSYも、もはや似ても似つかぬ外観に。







ハンマーまわり。
リアシャーシの設計が変更されていますが、パーツリストを見る限り、ハンマーやノッカーなどは後述の通り従来機と互換性がありそうです。







フロントシャーシは、17に比べて肉抜きがされているように見えます。








そしてマガジンの互換性について。
取扱説明書に記載の通り、既存の17/18用の各種マガジンがそのまま使えるとのことで、とりあえず手持ちのもので実験してみました。
左から、純正17用、WE製樹脂マガジン、そして純正18用ロングマガジンです。

まず純正17用。
全く問題なく使えました。

次にWE製樹脂マガジン。
やや生ガスを噴きながらですが、作動しました。

最後にロングマガジン。
こちらもばっちり使えましたが、なぜかこの個体ではスライドストップが正常にかかりませんでした。

2016年の発表以来、完全新規モデルなので従来モデルとのパーツ互換性が気になるところでしたが、細かな部品に互換性がありそうです。

付属のパーツリストをざっと眺めた限りでは、トリガーバーやスライドストップ、ハンマー、ノッカー、シアー、マガジンの放出・注入バルブ他、多数の部品で従来モデルからの流用のようです(詳細は本体付属のパーツリスト参照)。

■実銃採寸のリアルサイズ







そしてもう一つ、気になるのが実銃サイズか否かです。
従来機のフレームがやや実銃より分厚いため、実銃用各種カイデックスホルスターに入らない問題がありました。代わりに.45口径モデル用で対応していましたが、リアル派としてはやはり専用ホルスターを使いたいもの。

新型Glock19では、メーカーも実銃採寸を謳っている通り、実銃用ホルスターにピッタリフィットします。
手持ちのRaven Concealment SystemsのPhantomホルスターに、ばっちり入りました。

■実射性能

室温は22度前後。
すっかり秋となり、GBBにはややつらい季節での実射です。
ガスを入れたマガジンを人肌まで温めて、とりあえず慣らし運転してみました。

リコイルは期待通り、非常に強烈。ガツンガツンと手元で暴れます。
従来モデルの撃ち味を知っている方は、思わずニンマリすること間違いなしです。
Glock26以来、確実に進化を遂げています。

ただ気温が低めでちょっと冷えに弱いかもしれません。
夏までに発売されていたらと思うと、ちょっと残念。来年に期待です。

ファーストロットなので個体差による不良を心配しましたが、僕の個体は至極快調でした。スライドの戻りも滑らかです。








初速は人肌程度に温めて、68m~65m/sの結果でした。
このサイズであればこんなものでしょう。







命中精度については、まだ箱出し状態ながら、十分実戦投入可能なレベルなのはさすが東京マルイ。
いつも通りG&Gの0.2gで5発を8mから3セット。
フライヤーが出ましたが、十分まとまっているかと。







参考までに20mでの結果。

まだ200発程度しか撃っていないので、その性能は未知数です。
激しいリコイルや使い込んだことで生じるクラックや各部の剥げが心配ですが、これについてはこれから使い倒して見ていきたいと思います。









上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

■総評

いやー素晴らしい。
これぞ、今まで僕が長年待ち望んできたガスブロGlockの完成形です。
ルックスよし、リコイルよし、命中精度よし。拡張性も今後広がっていくでしょう。
コストパフォーマンスに優れた、最高の一丁に数えられるでしょう。
ゲーマーにも装備好きにもお座敷シューターにも、広くおすすめできます。

まさに『一丁だけ持っていく』なら、僕はこれに決まりです。






撮影協力:HIDEOUT
  

Posted by Tommy 鷹志 at 20:50Comments(0)東京マルイ