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Posted by ミリタリーブログ at

2022年11月27日

東京マルイ U.S. M9ピストル




あなたを良い方向に変えてくれた人はいますか?
たとえ今ではもう会えなくても、いつまでも大切で尊い存在だと思うのです。

僕にもかつて、そんな人がいました。
前に勤めていた会社の、同い年の先輩でした。

僕は一浪の大卒で、その人は専門卒でしたので、僕より3年先輩だったのですが、僕よりはるかに大人びていて、駆け出しの頃の僕を気にかけてくれる、憧れの人でした。

その人に認められたくて自分を磨いた結果、人として成長することができました。
その人のおかげで、今の会社への転職を決意することができ、僕の人生が大きく変わりました。


人を変える力は、銃にもあります。

もちろん人を殺傷しうる武器ですので、多くの場合は悪い方向に人を変えてしまうのは残念なことですが、
時にはとある少年の、その後の人生を夢あるものに変える力があると思うのです。

僕にとって、ベレッタ92FSがまさにそれでした。


今回は、昔の思い出に浸りながら、東京マルイ U.S. M9ピストルをご紹介します。







実銃のM9は、もはやガンマニアにとっては言うまでもありませんが、1985年に米軍が正式採用したベレッタ92SB-F(=92F)のミリタリーモデル。
後にスライド断裂事件の対策として、現行は改良された92FSに更新されています。
湾岸戦争をはじめ、いくつもの戦場で活躍し、バトルプルーフが成されてきました。

※M9と92FSは細かな仕様の違いはあれど、軍用か民間用かで名前が変わるだけで、基本的には同じ銃です。
 従って、ここではM9=92FSとして語ります。

米軍に採用されて以降、その美しいデザインから、スクリーンの世界でも一世を風靡。
『リーサルウェポン』シリーズや『ダイハード』シリーズ等、劇中のヒーローを支える名脇役として舞台に花を添えました。
個人的にはジャッキー・チェンとクリス・タッカーの『ラッシュアワー』で活躍していたイメージがあります。






この銃は、僕にとっても大変思い入れがあります。

2001年の12月24日、当時10歳の僕に、両親からクリスマスプレゼントとして東京マルイのM92Fミリタリーモデルが贈られました。
対象年齢10歳以上用のエアーコッキングガン(しかも厳密には92FSではない)でしたが、一人の少年にとっては初めての『愛銃』で、この世界にのめりこむには十分な『カギ』でした。
これを機に、僕の人生が大きく変わり、以後20余年、トイガンライフから抜け出せずにいます(笑)。

その後、初めて握ったブローバックガスガンも、ウエスタンアームズのベレッタ92FSでした。
まだホップアップがついていない初期の旧式でしたが、当時ブローバックの衝撃に大いにカルチャーショックを受けたのをよく覚えています。

つまり何を隠そう、僕をこの世界に引き込んだのは、ベレッタ92FSだったのです。






さて、東京マルイのブローバックガスガンのお話に移すと、1999年にM92Fミリタリーモデルとして最初のモデルがデビューしました。

しかし、東京マルイらしくコストダウン最優先の独自設計で、ホップアップは固定式、デコッキングは省略と、旧式感が否めませんでした。
(その後、タクティカルマスター等のオリジナルの派生モデルをリリースするも、基本的にはM92Fミリタリーモデルと大差ありません)

2012年にようやくシリーズの改良版としてM9A1が登場。念願の可変ホップやデコッキングが搭載されましたが、レールが嫌という人も少なくなかったかと思います。
そしてついに、2015年にスタンダードな92FSの軍用モデルとして、U.S. M9ピストルがリリースされた、という流れです。



さて、前置きはこのくらいにして、いつも通り細部を見ていきましょう。






パッケージは黒を基調としたシンプルでシックなデザイン。
取説は前作のM9A1と共通のものになりました。







手に取ると、旧モデルのM92Fミリタリーモデルのような安っぽさは軽減された印象。
アウターバレルとフレームは防錆処理を再現したようなザラザラした感触のある塗装が施されてあります。
今となってはクラッシックな銃らしく、ずっしりと重みを感じます。






マズルまわり。
バレルが大きくはだけた美しいデザインは、多くの銃器ファンを魅了して止みません。
ベレッタの魅力がフロント近辺に凝縮されていると感じます。

アウターバレルのライフリングがハッキリし過ぎで興ざめなので、ここはやすりで削って調整します。







刻印は一部が東京マルイオリジナルですが、よく雰囲気を再現できていると思います。
ベレッタのリアル刻印は、大人の事情で某メーカーの独占なので仕方ありません。






トリガーフィーリングは軍用のダブルアクションオートらしいぬるっとした印象。
ただ、トリガープルはP226等に比べれば軽めです。

レバー類はベレッタ系オートでは共通の、テイクダウンレバー+スライドストップレバーの配置。

ちなみに最近の東京マルイ製ブローバックガスガンのパーティングラインはきっちり処理されており、
U.S. M9ピストルも同様。







ベレッタ92FS(M9)で一番嫌いなのが、このセーフティ兼デコッキングレバーの配置。
手が小さい人には使いづらいことこの上ありません。
(92Fより前のモデルはガバやUSPと同じ配置だったのに、何を思ってこの位置にしたのか摩訶不思議です)

おまけに壊れやすいようで、以前所有してたウエスタンアームズ製も早々に故障してしまいました。
東京マルイのはどうでしょうか?

ちなみにハンマーが起きている状態でレバーを下げるとデコック、ハンマーが落ちている状態だとセーフ。






グリップも版権の都合で東京マルイオリジナルの3本剣(実銃は3本矢)。
ここは実物グリップに変えてしまいましょう。
スクリューは現行の六角タイプです。

ちなみにグリップは太く、女性や手の小さい人にはちょっとつらいかも・・・






ハンマーまわり。
六角ねじではあるものの、ファイアリングピンらしきものは再現されており、実銃同様デコック時に上を向きます。
アイアンサイトのドットは軍用の2点タイプ。






右側面。
フレームのオリジナル刻印は仕方ないので諦めましょう。

ちなみにM9と現行の92FSでは、ダストカバーの形状に差異があります。
現行の92FSでは側面のラインが銃口に向かって斜めに上向いているのに対し、M9は初期の92FSの仕様に準拠しているため、
まっすぐなラインなのは豆知識です。






通常分解。
マガジンを外してチャンバークリアしてから、左側面前部のテイクダウンレバーを操作しスライドを前に押すだけ。
慣れれば簡単にここまで分解できます。







スライドASSY。
M9A1からようやく、可変ホップが実装されました(中央のダイヤルで調整します)。






マガジンはM92Fミリタリーモデルと共通(というか同一)で、スピードリロード等でマガジンを落とすとガス漏れしやすい構造なので注意。
米軍放出品の実物(画像右)と比較すると、背面の残弾確認孔が再現されていない等設計の古さは否めません。



さて、今回は東京マルイのU.S. M9ピストルの外観レビューでした。
次回の実射編に続きますのでお楽しみに。



2023/1/4追記:

新年あけましておめでとうございますということで、
撃ち初めを兼ねて実射テストをしてまいりました。

マガジンを人肌程度に温めて撃ってみると、今どきの最新モデルのような強いリコイルはないものの、
バシッとはじけるような素早いスライドスピードで、かつてのM92Fミリタリーのようなもっさり感はありません。

冬場の寒い中でのテストでしたが、息切れすることもなく最終弾まで撃ち切れる程度の性能があります。






初速については、0.25g弾で60m/S前後で、ブローバックガスハンドガンとしては平均的かと。


さて、命中精度についてです。
かつてM9A1がリリースされた当時からネットで騒がれた、下着弾の件もありましたので、
どの程度のものか、テストしてみました。







いつも通り0.25g弾×5発で、8mから所謂アイソセレスでの立射を3セット程トライした結果。
ちなみに適正ホップにセッティングし、センター照準で撃ちました。

どれも6cm圏内にまとまっており、よく当たると思います。
1セット目がやや下着弾気味ではあるものの、全体的にこの個体では気になるほどの下着弾現象は見られませんでした。

この個体は2022年11月末に新品で購入したものですが、
特に最近のロットで、この下着弾現象に対して対策が施されたという話は聞きませんので、
個体差によるものかもしれません。

以上、東京マルイのU.S.M9ピストルのレビューでした。



ベレッタ92FSを握ると、昔のことを思い出します。
僕を変えてくれた先輩のことも、時折思い出してしまいます。

ベレッタ92FSと先輩、どちらにも言わせて頂きたいのは、『僕の人生を変えてくれたことへの感謝』。これに尽きます。

ベレッタ92FSは僕の人生を豊かで浪漫あるものへと変えてくれました。
先輩は僕が自らを磨き変わるためのきっかけを与えてくれました。
どちらの存在もあったからこそ、今の僕の人生があるのです。

残念ながらその先輩とはご縁が切れてしまい、たとえ望んだとしても、お会いすることはもう二度と叶わないでしょう。
それでも、僕の中にはいつまでも大切な人として残り続けますし、感謝の思いを胸に、そしてその人の幸せを心から願い、『明日に向かって前進する』のみです。





(実は『Gun Professionals』2018年10月号の、Toshiさんの企画『この銃に会いたかった』で、ベレッタ92FSの記事を書いたの、僕なんですね~。Toshiさんお元気ですか~?その節は大変お世話になりました!)

  

Posted by Tommy 鷹志 at 01:33Comments(0)東京マルイ

2021年06月11日

東京マルイ MK18 MOD.1 ガスブローバック





今回は初めてのAR系のレビューとなります。
以前から買おう買おうと思ってようやく入手できた、東京マルイのMK18 MOD.1です。








写真はアメリカで取材した実銃。MK18 MOD.1の写真はないので、ベースとなったM16(SP1)とDaniel Defense製ARで勘弁・・・

実銃のMK18 MOD.1は、米軍が長らく採用するM16(AR-15)を14.5インチバレルのカービンサイズに切り詰めたM4カービンを、さらに10.5インチバレルに切り詰め、Daniel Defense製9.5インチレールハンドガードを装備したモデル。アメリカ海軍(Navy SEALs)や海兵隊(Marine Raiders)で使用実績があります。
特殊部隊が使用しているとあって、日本でも知名度があり、主に装備好きに人気があります。

エアソフトでは、VFC等の海外勢がモデルアップしていたものの、日系メーカーからの参入がなかったモデルです。
かつてはマッドブルのカスタムパーツを使って、M4やCQB-R(MK18 MOD0)をベースに組み上げるしかありませんでした。

しかし2019年に、東京マルイから次世代電動ガンとして発売され、遅れて2020年、ようやく念願のGBBが発売されました。
MK18 MOD.1の国産純正GBBを長らく望んでいた人もいるのではないでしょうか?(僕もその一人です)

では各部を見ていきましょう。







パッケージは黒を基調としたデザインで、Zシステムのロゴが白字で目立ちます。






当モデル(のRIS IIレールハンドガード部分)は本家Daniel Defenseのライセンスを得て再現されており、その証として箱にライセンス証シールが貼付されています。









最近の東京マルイの梱包は非常に丁寧で、例えば銃本体が動かないようにベルトで固定されていたり、動いても傷がつかないようにフィルムがまかれていたり、気遣いを感じます。
こんなことするくらいならもっとシンプルにして1円でも安くしてくれ!という声もあるかも知れませんが、こういう日本的な計らいは世界に誇るべきかと。










全体的に金属がふんだんに使われ、武骨でカッコいいです。
何より驚いたのはその剛性。本体の軋みは全くありません。
以前次世代のCQB-Rを所有していたのですが、首まわり(ハンドガードの付け根付近)が何度締めてもガタつきが直らず、難儀したものです。
それに比べてMK18 MOD.1は、まるでダンベルのように重く、逞しいです。







ちなみに、表面仕上げにはセラコートを採用しているので、従来の長物に比べて塗膜は強そう。
東京マルイのエアガンはどうしても塗膜が弱いイメージがあるので、期待してます。







フラッシュハイダーはSUREFIRE製を再現。
ただ、個人的にはKnight's Armamentのサプレッサーを取り付けられるハイダーが好みなので、近々交換予定。









これぞMOD.1のトレードマーク。Daniel Defenseの9.5インチRIS IIハンドガード。
ややゴールドな色味の黒いボディーがエロいです。材質はアルミっぽい?
4面にびっしりとピカティニーレールを配し、ライトやらレーザーやらフォアグリップやらなんでも乗せ放題。
下部の余計な刻印は、大人の事情ということで。







レールハンドガード左側面の根本に、スリングスイベルがあり、実用強度もばっちり。







コルト刻印のロアレシーバー。刻印の太さに左右差があるのが逆にリアル。
トリガーフィーリングはリセットも比較的短く、レットオフのタイミングもつかみやすいのですが、やや引っかかりがある印象。







セレクターレバーにはしっかりとクリック感があります。
実銃同様、ハンマーコック時にしかセーフに入らないのはGOOD。
(ちなみに、ハンマーダウンの状態だと、セーフ方向には写真の位置までしか入りません)







グリップは当然モーターなど入っていないので細身で握りやすいです。
ただやっぱりここは実物に替えたいところ。







ストック基部にスリングスイベルが標準装備されているのも魅力。
僕はここに1ポイントスリング(もしくは2ポイントの両端)を付けるのが好きです。









ストックは暗めのダークアース色で、なんだが次世代電動ガンと互換性ありそうな感じ。
バットプレート外せるし、バッテリーが入る場所はフタで固定されているのがモロに臭い。
ここもいずれは実物に替えます(ポン付けできないなら削ってでも仕組みます)。









フロントサイトとリアサイトは可倒式で、リアサイトは左右の微調整ができそう。






レシーバー右側面。
セレクターのポジションインジケーターはもちろんライブで可動。
雰囲気ぶち壊しのTOKYO MARUI MADE IN JAPAN ASGKをスルーできる貴方はもはや悟りを開いてそう。







エジェクションポートカバー下部には、工場出荷時に傷防止のウレタンスポンジが貼られていますので、はがしましょう。







チャージングハンドルを引くと、エジェクションポートカバーが自動で開きます。
ちなみに、ボルト完全閉鎖時も赤丸部分のように閉鎖不良に見えるのは仕様なので悪しからず。







参考までに実銃(写真はアメリカで取材したS&W M&P15)と比較。まぁ気にならないと言えば気にならないかな・・・?







なんとボルトフォワードアシストもライブで機能し、例えば閉鎖不良時に押すとちゃんとボルトが前進します。
(ただ、実銃の世界ではあまり使用は推奨されていないんだとか。なぜならボルトの閉鎖不良は銃の異常を示すものだから。)







マガジンは35発のキャパシティーで、前面にスリットがなくリアルでGOOD。
社外オプションでMAGPULのPMAGタイプもあるので近々導入予定。







メンテナンスのための通常分解は、ロアレシーバー前後のピンを抜いて行います(ただし完全には抜けなさそう・・・)。
この時、リコイルバッファーとスプリングが勢いよく飛び出すことがあるので注意です。







通常分解の図。慣れれば難なく行えます。







ロアレシーバーの内部メカは完全に東京マルイオリジナルで、作動性能を重視した結果、実銃とは似ても似つかぬ姿に(実銃には大きなハンマーがあります)。
賛否両論があるポイントですが、東京マルイのエアガンは道具としては非常に優秀ですので、割り切って使うしかありません。
どうしてもリアリティを求めるのであれば、僕ならVFCに走ります。
お金がある人は使い分けるのもアリかも!?







個人的にこの銃の最大の残念ポイントは、ホップ調整レバーの位置。
構造上仕方がなかったのでしょうが、毎回通常分解しての調整はちょっと面倒です。









ボルト形状も東京マルイオリジナル。
下部には摩擦を軽減するローラーが付いています。
下の写真は参考までに実銃のボルトですが、上部の形状が異なります。







さて、実射性能と行きたいところですが、相変わらずのコロナ自粛でシューティングレンジには行けないので、
命中精度については後日改めて追記とさせて頂く旨、ご容赦ください。

気になる方は既にシューティングレンジTARGET-1さんが詳細レビューを上げておられますので、こちらを参考に。

初速については手で温めた状態で70m/s程度。
もう少し温めればさらに上がるのでしょうが、長物ならもう少し欲しいかな、といったところ。

リコイルやボルトの動きは流石に激しく、十分満足できるレベルです。
社外パーツのリコイルバッファーで、さらにリコイルを重くしたり、逆に軽くできるようですので、近々試してみようと思います。





(2022年6月25日追記:)





コロナ禍も落ち着いてきたので、大阪大正のHIDEOUTで撃ち込んでみました。
(3年ぶりのお店は相変わらず繁盛していましたが、知っている店員さんが誰もいなかった・・・)







23mのレンジでST32電子ターゲットを立射で10発撃ってみた結果。
弾は東京マルイのパーフェクトヒット0.25g。
ノーマルで真ん中の赤丸に2発ヒットする程度の実力はありますが、
カスタム次第でまだまだブラッシュアップできそう。





総評ですが、お値段が6万円前後と高かっただけのことはあり、なかなか満足できる買い物でした。
東京マルイの長物は久しぶりでしたが、製品レベルが上がっていると感じました。

何よりライセンス品ながら、Daniel DefenseのRIS IIハンドガードの出来も十分で、これがカスタム不要で入手できるなんて、良い時代になったと思います。

実は僕は元々AR系にあまり思い入れがなく、そこまで好きではなかったのですが、MK18 MOD.1は別格。
元々は海豹装備がやりたくて導入を検討していたのですが、その使いやすさと武骨なスタイルに、改めて酔いしれました。

この道20年の僕ですが、やはりAR系は避けては通れないと、思った次第でございます。

今回はここまで。ではまた。







おまけはP226Rとのツーショット。
ちょっと前の海豹な組み合わせ。
今はHK416とGlock19かな?











  

Posted by Tommy 鷹志 at 22:55Comments(0)東京マルイ

2021年03月20日

東京マルイ SIGSauer P226E2




東京マルイのP226シリーズは、SIG好きであれば誰しも一度は手にしたことがあるであろう、ガンガン使えるP226の決定版です。
2005年に初代『P226レイル』が発売されて以来、幾多のゲームでバトルプルーフがなされてきました。
さすがに基本設計が古く、最新モデルには再現度も性能もはるかに及びませんが、よく当たりよく動くP226として、我々SIG好きにとっては今でも誇るべき名銃です。

大のクラッシックSIG好きを自称する僕も例に漏れず、長らく愛用してきましたが、使い込んだ結果老朽化が進み、ずいぶん前に処分してしまいました。
しかし、タナカワークスのモデルガン等でSIG熱で盛り上がる最近の業界動向を横目に眺めていると、久しぶりにP226で遊びたくなりました。

そんな時、とあるお店で中古の格安で叩き売りされていたのが、本日のお題です。

今回は東京マルイのP226E2を再レビューします。







ここでちょっと実銃のおさらい。
P226は1980年中頃に登場した、P220の改良型ハイキャパシティモデル。
米軍のXM9トライアルにも提出され、優秀な成績を収めますが、ベレッタ92SB-Fとのガチンコ対決に惜しくも敗れてしまいます。
しかしポテンシャルの高さが評価され、米海軍特殊部隊Navy SEALsや英陸軍SASを始め、世界中の軍警察で採用されるなど、軍用拳銃としての不動の地位を確立しました。

さて、現在でも生産が続けられるほどロングセラーとなったP226ですが、幾度のアップデートを経て現在に至ります。
ざっくりとバージョンの変遷をまとめると以下のようになります。







①初期型(アーリーモデル)
1980年代中頃の登場から90年代中頃まで製造された、初期のP220やP225、P228と同様のプレス成型スライドのモデルです。







②切削スライド前期型
1992年発売のP229で初めて採用された、NC切削加工によるスライド工法が他モデルにもフィードバックされた結果、1990年代後半以降製造されたP226にも、NC切削スライドが採用されました。これにより、スライド寿命と耐久性が大幅に向上したほか、強装弾や大口径にも対応できるようになりました。
前期型の特徴として、ブランド・モデル名『SIGSAUER P226』の他に、左側面に『STAINLESS』や当時のSIGSauer社の米国法人名『SIGARMS INC.』、そして所在地『EXETER-NH-USA』のスライド刻印が見られます。東京マルイ製GBBの初期モデルやKSC製GBB、タナカワークス製GBBの元ネタがコレに当たります。ちなみにこの頃から、ダストカバーに独自形状ながら、アクセサリーレールを装備した『R』モデルが登場します(2002年~)。







③切削スライド中期型
2010年代のモデルで、スライド刻印がブランド・モデル名のみとなり、所在地刻印はフレーム右側面に移動し、前期型に比べ刻印がやや粗くなった印象を受けます。
E2(Enhanced Ergonomics)グリップを装備したモデルも登場し、後に標準仕様となります。







④現行型(画像はMK25)
2010年代後半以降のモデルで、刻印表記は③と変わりませんが、外部エキストラクターの形状が大型化しています(MK25を除く)。
この頃になるとLegionやEquinox等、バリエーションが大幅に増えたほか、Navy SEALsが採用するモデルを意識したMK25等もラインナップされるようになりました。

※バージョンの各呼称はあくまで僕が勝手にそう呼んでいるだけですので悪しからず・・・









さて、トイガンのほうに話を戻します。
東京マルイのP226E2は、初代P226レイルのアップグレードモデル。
発売は2011年で、グリップは特徴的なE2グリップに変更され、内部メカも改良されました。

僕は大学3年生の時に初めて手にしたのですが、初代P226レイルに比べてシャキシャキ元気な作動に感動したのをよく覚えています。

さて、既に巷ではレビューし尽くされた感があるので今更なのですが、やはり設計の古さはどうしても否めません。
今回は、あえてP226大好き人間として、東京マルイのP226E2の個人的に気になるところを上げていきます。
やや辛口となってしまいますが、ご勘弁を・・・






フロントまわり。

気になる点① マズルクラウンの再現度
本来もっとのっぺりしているマズルクラウンですが、やや角がたっているだけでなく肉薄で、さらにライフリングが強調されすぎなところが玩具っぽくて目立ちます。

気になる点② 塗装
当時は今のように東京マルイもリアリティを重視しておらず、試行錯誤していたのでしょう。
スライドとフレームの塗分けは良いのですが、スライドがまるでコンクリートのようなのっぺりしたグレーで、金属感はありません。

気になる点③ フロントサイトの固定方法
出来ればグロックみたいにねじ止めか、実銃のようにドブテイルにして欲しかったと思うのは僕だけでしょうか?







トリガーまわり

気になる点④ 金属パーツの塗膜の弱さ
特にスライドストップリリースとデコッキングレバーが最悪で、この個体も剥がれかけてきています。
ここは諦めて社外パーツにさっさと交換してしまいましょう。

気になる点⑤ トリガープル
重い上にキレが悪くて、レットオフの感覚がつかみにくいことこの上なし。

気になる点⑥ パーティングライン
今でこそ東京マルイもパーティングラインの処理が当たり前ですが、当時はそのままでプラっぽさが目立ちました。






フレーム右側面

気になる点⑦ オリジナル刻印
家電や被服等、他の製品では嬉しくなる日本製刻印も、トイガンでは話は別。
ここは東京マルイのポリシーですので頑なに譲れないのでしょう。







ハンマーまわり

気になる点⑧ ハンマーリセットスプリングの省略とハンマー位置

東京マルイのP226シリーズで大っっ嫌いなところぶっちぎり1位がコレ。
ドライファイアすると、ハンマーが本来実銃ではありえない位置にまで引っ込んでしまいます。
なぜなら、実銃やKSCのP226には備わっている、ハンマー根本のトーションスプリング(ハンマーリセットスプリング)が省略されているから!






実銃のハンマーはこの位置で必ず止まります。
つまり、ひびき撃ちというメカニズムで撃発するってワケ。

今の東京マルイならきちんと再現するであろう機構ですが、当時はコストとデフォルメ重視だったのでしょう。

そんなP226好きの我々の悩みを、ミリブロが誇るガンスミスのあじゃさんが解決されています。
全P226好きを代表して申し上げますが、このカスタムはもっと評価されるべきです!!
(僕も頑張って真似してみようかしら・・・でもトーションスプリングどこにどうやって仕組むんだろ・・・?)






気になる点⑨ ファイアリングピンの不再現
本来あるべきところに何もないと、寂しいですよね?







グリップ

気になる点⑩ シボ加工の甘さ
形状自体はP226レイルに比べて細く、日本人の手に合うのですが、実銃に比べてシボ加工が甘く、汗でよく滑ります。







実銃はもっとザラザラで、手によく食いついたのを覚えています。






マガジン

気になる点⑪ マガジンの塗装
マガジンの構造自体は結構好きなんです。
底部から六角ネジで締め上げるので、ガス漏れしにくく、スピードリロードでマガジンをぶん投げても壊れにくいんですよ。
ただ、塗装がつや消しで、やはり剥げやすいのが残念。
残弾確認孔の再現もありません。






実銃はこんな感じ(画像は初期型)。



さて、めっちゃこき下ろしちゃいましたが、基本性能は優秀でよく当たります。
P226レイルに比べて燃費も作動性能もよくなりました。

あと、これだけ気になる点が多いということは、カスタムベースとしては秀逸ということ。
今ではある程度社外パーツも揃い、カスタムの幅は広いと感じます。






というワケで、手持ちの部品でカスタムしちゃいましょう。

用意したのはGUARDERのダミーファイアリングピンと、実銃用純正グリップ、そしてそれを取り付けるネジとP226レイルのフレーム、おまけにP226レイルのスライドです。
つまり今回は、E2ベースでP226Rを作るカスタムです。






まずは分解。
いつも通りチャンバークリアを確認したら、フィールドストリッピングします。








次に、今回のパーツを組むのに必要な段階まで分解します。






最初はスライドとダミーファイアリングピンから。
P226レイルのスライドにE2のブリーチ(エンジン部)やフロントサイトを移植したら、ブリーチ後部にダミーファイアリングピンをはめ込んで、リアサイトにねじ止めします。
この時、ファイアリングピンのバネが飛びやすので注意です。






装着するとこんな感じ。
実銃よりやや小さく若干上寄りですが、雰囲気は出ています。







ちなみに実銃はこんな感じ。







最後にフレームとグリップ。
そもそもなんでE2のフレームを使わないの?という疑問を感じた方はご注目。
E2グリップははめ込み式なので、E2用フレームにはP226レイル用にはあるグリップスクリューのメス部(受皿)がありません。
よって、通常のねじ止め式グリップを着けたいときは、P226レイルのフレームを使う必要があるのです。






とりあえず、先程分解したE2のトリガーメカやハンマーメカをすべてP226レイルのフレームに移植します。
(この時、デコッキングレバーを止める『E2デコッキングホルダー(部品番号:226E2-12)』とそのネジ2本は使用しません)






かつては入手難だったSIGSauer純正のグリップですが、アクセスオーバーシーズが代理店として輸入を始めた結果、現在は比較的容易かつ安価に入手できるようになりました。感謝です。






正真正銘実物の貫禄、たまりません。
ただし僕が入手した個体は現行のMK25用で、昔のモデルとはテクスチャーが異なります。






もちろん実銃用ですので、東京マルイ製にはポン付けできず、加工が必要です。
こんな時こそリューターが大活躍。少しずつ削って微調整します。
(ただしめちゃ硬いので、最初はカッターナイフ等で粗削りしておくとベター)






とりあえず、赤丸部分をある程度削ったら装着できるようになりました。






グリップ装着。
裏側を加工することで、東京マルイ製にも問題なく取り付けできました。








今回のカスタムはここまで。
他にもカスタムが必要な部位が盛沢山ですが、まだまだコロナ禍でお家ライフが続きますので、焦らずゆっくり楽しむことにします。

では次回もお楽しみに。





  

Posted by Tommy 鷹志 at 22:00Comments(0)東京マルイ

2020年10月17日

東京マルイ グロック22






ご縁の大切さを強く感じる今日この頃です。
新型コロナウイルスが相変わらず猛威を振るう今こそ、人とのご縁を大切にし、支え合うことの意味を感じます。

直近で弊ブログを更新してからほぼ1年、本当に色々なことがありました。
新型コロナウイルスによって我々の生活は一変し、いまだに多くの制約の中で生きる日々です。明日に不安を感じる方や、大切な人を亡くした方もいらっしゃるでしょう。本当に毎日がつらく大変だと思いますが、1日でも早く、また皆が笑って暮らせる日が訪れることを、願って止みません。明けない夜はないんです。漂えど沈まなければ、何とかなるんです。

僕自身も、私生活であまりに大きな変化がありました。20代最後の年となる2020年3月、新卒入社以来5年間お世話になった会社を辞め、ずっと憧れていたとある大手部品メーカーに転職しました。

前の会社の経営状況や事業の将来性、自らが置かれた環境、そして自分を取り巻く人々をこの目でずっと見てきて、自分の生き方は本当にこれでいいのか、ずっと悩んでいました。2019年3月に、仕事上の恩師が海外赴任になったり、職場の人間関係で悩んだのを機に、自分を変えたくて、体を鍛え、知恵をつけ、結果を出してきました。

しかし、自分を磨けば磨くほど、前の会社やそこにいる人々との間に壁や温度差を感じ、これ以上の悪あがきは無駄でしかないと、限界を感じてしまった自分に気が付きました。

縁とはお互いが求めあうからこそ成り立つもの。どれだけこちらが相手のことを好きでも、一方通行の片思いでは残念ながらご縁はないんです。それは人にも会社にも言えること。前の会社とは、明らかにご縁がなくなっているのを感じました。

そんな中、捨てる神ありゃ拾う神ありとはうまく言ったもので、コロナ禍にも関わらず雇ってくださった今の会社に感謝するとともに、何だか強力なご縁を感じる次第です。これでも本業ではまがいなりに営業マンをやっているので、結果を出すことでしっかり恩返しをして参ります。

毎年この時期になると美味しいお米を送ってくれる大学時代の後輩にも、強くご縁を感じています。彼とは僕が大学を卒業する直前に出会ったのですが、同じガンマニア(何なら僕より知識は上)として意気投合し、今でも付き合いのある大切な友人です。

そんな彼から、おまかせでカスタムして欲しいとの依頼でお預かりしたが、今日のお題です。
前置きがとても長くなり恐縮ですが、今回は東京マルイのグロック22をレビューします。







※画像:1993年発行『月刊Gun 5月別冊PART7 世界のハンドガン』より抜粋

実銃のGlock22は、フルサイズのGlock17の口径違いモデル。
サイズはGlock17と同じながら、より強力な.40S&W弾を使用します。

.40S&W弾は直径約10mmの自動拳銃用弾薬で、9mm×19弾(以降9パラ)と.45ACP弾の中間の性質を持った弾です。
.45ACPは長年米軍で採用され、ストッピングパワーに優れた弾薬ですが、大きくかさばるため装弾数が稼げず、反動も強いというデメリットがあります。
一方で9パラは拳銃弾としては最もポピュラーでバランスが取れており、ある程度の多弾化は可能ですが、例えば法執行機関(以下LE)の現場では、薬物で錯乱した凶悪犯を制圧するには威力不足という懸念がありました。.40S&Wは、そんな2つの弾薬のいいとこ取りで、パンチ力とマガジンキャパシティーの両立が可能でした。まさにLEにはうってつけで、アメリカ国内の多くの機関によって採用されました(とはいえ最近は9パラのストッピング性能が向上したため、より多くの弾数を持てる9パラへ回帰する動きがありますが・・・)。

残念ながら僕は.40S&Wを撃ったことがないのであまり多くを語る資格はありませんが、かつてアメリカで.45ACPを撃った経験があります。ポリマーオート(スプリングフィールドXDM45)から撃つ.45の反動はなかなか強烈で、同じくらいの威力で少しでも反動が和らぐなら、小さいほうがいいというのが現場の声なのではないでしょうか?(ぶっちゃけ9パラでもポリマーフレームのサブコンパクトから撃つと強烈な反動を感じますが・・・)







東京マルイのグロック22は、旧モデル(ここでは新口径エンジン搭載の同社製グロック19より前に発売されたもの)の中では後発(2016年発売)。基本構造や構成部品は同社製グロック17から大きくは変わらず互換性がありますが、一部に専用部品や同社製グロック34の部品を使うなど、改良も見られます。
今回は借り物なので新品箱出しではありませんが、所有者曰くどノーマルとのこと。
僕の手持ちのグロック17(の皮を被った変態仕様笑)と比較もしながら、変化点に着目して見ていきましょう。

後半はご依頼のカスタムについても公開していきます。

■プチレビュー





パッケージは最近の東京マルイ製品らしく豪華な梱包仕様で、外箱を飾る大きな写真がクールな印象。








基本的なデザインや構造は前述の通り、先発のグロック17と大差はありません。
ただし、グロック22には所謂プラス2仕様のマガジンバンパーを載せたマガジンが標準装備されています(とはいえ装弾数はグロック17と同じ25発)。







細かな違いと言えば、目につく範囲ではまずは刻印。
モデル名が22となっているほか、口径が.40、シリアルナンバーが17とは異なります。






.40口径化された結果、アウターバレルが17より肉薄になりました。
これだけでもマズルフェイスの印象は大きく異なります。






内部パーツでは、まずスライドストップノッチの強化が図られた他、トリガーバーやマガジンキャッチにも改良が施されています。






マガジンについては、前述のバンパーだけでなく、刻印や残弾確認孔のモールドが.40口径仕様に変更されています。

ガスだけ入れて軽く撃ってみましたが、撃ち味は個人的にはノーマルのグロック17と、大きくは変わらない印象を受けました。
これがカスタムでどう変わるかはお楽しみです。


■Top Gun流カスタム

そもそもコレを借りたのは、レビューのためではなくカスタム依頼を受けたため。
というワケで、たまにはなんちゃってガンスミスでもやりましょう。

※以下カスタムはあくまでも我流です。性能UPについてはプロのショップさんには敵いません。参考にされる場合は自己責任にてお願い致します。

所有者の用途がLE装備用(ATF捜査官)なので、以下条件でカスタムを行っていきます。

・性能面→リコイルを減らし冬場の動作性能をUP(リコイルが欲しいなら最新のグロック19やグロック17Gen4を買えばいい)
     0.25g以上の重量弾による射撃においての良好な命中精度

・外装面→実銃の純正品に限りなく近づける(つまり、派手なドレスアップはしないリアル化カスタム)
     フレームについてはレール付(Surefire製ウェポンライトを装着するため)

上記条件を満たすべく、以下部品を入手しました。






①GUARDER ライトウェイトアルミブリーチ(当方在庫品を流用←ごめんねっ!)


 亜鉛合金製のノーマル51gに対し、なんと20gの軽さ。
 これによってリコイルは激減しますが、スライドはシャキシャキと寒くても比較的素早く動くようになります。
 旧型エンジンではどれだけ頑張っても、リコイルにおいては最新のグロック19や17Gen4には敵いません。
 であればそれを逆手に取り、むしろ限りなくリコイルを殺して動作性能と命中精度を上げちゃえっていう発想。


②Firefly うましか辛口(当方在庫品を流用←ごめんちゃいっ!)


 VSR-10と相性の良いうましかシリーズ。重量弾を撃つなら赤い辛口(硬めのパッキン)。


③Firefly ロケットバルブ


 シリンダー内部に組み込む部品で、スライドスピードと飛距離がUPします。


④KM企画 TNパーフェクトバレル デトニクス45用


 グロックになんでデトニクス用?と思う方も多いかも知れませんが、これこそTop Gun流。
 あえて純正より短いインナーバレルを使うことで、マズルまわりをリアルにする手法です。
 (過去の記事も合わせてご参照ください)
 初速が若干下がりますが、リアル派にとってはマズルから見えるインナーバレルのほうが激萎えなんです。


⑤メーカー不詳 マガジンバンパー(当方在庫品を流用←すまぬっ!)

 純正付属のプラス2タイプがLEには似合わないと感じたので、リアル刻印のスタンダードタイプに変更します。
 どこのメーカーのパーツだったかど忘れしました・・・

⑥GUARDER シリーズナンバータグセット


 東京マルイ製グロックのマニュアルセーフティをオミットできるほか、リアルになるメリットがあります。
 残念ながらグロック22のシリアルナンバーがないので、無刻印をチョイス。


⑦GUARDER カスタムフレーム(USA刻印)


 リアル派ガンマニアにとっては忌まわしき(失礼!)『MADE IN JAPAN ASGK TOKYO MARUI』を取っ払い、
 『MADE IN AUSTRIA』のリアル刻印にしちゃう夢のアイテム。

①~③は性能面、④~⑦は外装面でのカスタムに使います。

ではまず必要な箇所の分解から。






フィールドストリッピング(通常分解)。ここまでは工具なしでできます。






バレルはアウターを取り外し、ネジ2本を取り外して写真の状態にします。






ブリーチ(エンジン)は赤丸のネジを外して取り外します。






ネジ一本を抜くだけで、ここまで分解できます。
下に転がっているのはシリンダースプリング。
シリンダーはブリーチにはめてあるだけなので簡単に取り外しできます。







フレームのハンマーとトリガーユニットを取り外すには、まず赤丸2か所のネジを外します。






次にフレーム側面のシャフト2本を抜きます。






これでとりあえず必要なところまで分解できました。
グロック旧モデルとは長い付き合いで、何度もカスタムしてる関係でもう何も見なくても分解できちゃう僕はただの変態ですね。







まずは一番簡単なバレルとHOPパッキンの交換から。
うましか辛口をTNバレルに装着し、純正品と交換します。
写真のように基部にはめ込んだら、カバーを装着してネジ締め。






このままアウターバレルに戻すとインナーバレルとの間に大きなクリアランスがあるので、ビニールテープを適当に巻き巻きします。






次にシリンダー。
まず赤丸の小さなネジを取り外します。






するとシリンダー内部のシリンダーバルブ(右から2番目の円筒状の部品)が取り外せます。





今回交換するのはシリンダーバルブとYリング・Yリングヘッド。
ロケットバルブ付属の、何とも言えない手書きのイラストがシュールな説明書の通りに部品を写真の状態まで組み立てます。






シリンダーバルブを銀色のやつに交換!!
あとは組みなおすだけです。






Yリング・Yリングヘッドは写真のように取り付けます。
あとはシリンダーを戻してブリーチをスライドにはめ込んでネジ締めするだけ。
付属のシリンダースプリングを入れるのをお忘れなく。






最後は一番面倒なフレーム。
リアル刻印のGUARDER製にすべて移植します。

まずはマニュアルセーフティを排除するため、GUARDERのシリーズナンバータグセットを取り付けます。
銀色のプレート本体を先に装着したら・・・






裏に固定用のプラスチック部品をはめ込みます。






あとはすべての部品を元通りに戻すだけ。
ただこれが一番難しくて面倒なので、何度もやってみて慣れるしかありません。
マガジンキャッチやマガジンキャッチスプリングの移植も忘れないように!






実はマガジンバンパーの交換が一番簡単でした。

さて、こうしてカスタムが完成しました。






如何でしょうか?ちょっとはLEっぽくなったかな?






フレームもリアル刻印となり、カッコよくなりました。

一応慣らし撃ちをしてみましたが、ブリーチが軽くなったのでスライドはシャキシャキ動きます。
その分リコイルはほぼ無いに等しいのですが(笑)。
ただ、まだ擦り合わせが不十分なので、所有者にレンジである程度撃ち込んでもらうことにします。

なかなかシューティングレンジにも行きづらいご時世ですのでロングレンジでの命中精度の調整はできてませんが、
そこは本人に試してもらって、問題があれば修正する形にします。

思えば所有者の後輩君にはお世話になりっぱなしだったし、誕生日も近かったので、急遽思いつきでやらせて頂いたカスタムでした。
ただ、同じレシピで自分のグロックをいじり倒している実績があるので、自信はあります。

こんな形でつながるのもまたご縁。これからも大切にしていきたいと思う次第です。
カスタム、喜んでもらえるといいんだけど・・・

今回はここまで。ではまた。


追伸: 当記事をもちまして、ブログの設定地域を福岡県から大阪府に変更することと致しました。
    大学時代の開設以来、長きに渡って弊ブログをご覧頂きました福岡県のミリブロガーの皆様、本当に有難うございました。
    引き続き、大阪府にて場所を変えてブログを継続して参りますので、今後とも宜しく御願い申し上げます。

  

Posted by Tommy 鷹志 at 16:24Comments(0)東京マルイ

2019年11月17日

東京マルイ MEU Pistol





食わず嫌いとは、まさにこのことかも知れません。

恥ずかしながら、僕は長らく、所謂1911(ガバ)系オートに興味を持てないでいました。

昔から好きなのはもっぱらSIGやGlockなどのヨーロピアン9mmオート。どこか野暮ったさを感じるガバは完全にアウトオブ眼中でした。
友人が根っからの.45信者で、ガバの話は耳タコになるくらい何度も勧誘(?)を受けましたが、どこか上の空で聞き流しちゃっていました。

今やこの趣味に足を踏み入れて18年、世間ではアラサーと呼ばれる自分も、ようやくガバに魅力を感じるようになりました。
ようこそ大人の漢の世界へ、とはよく言ったものです。

今回は東京マルイのMEUピストルをレポートします。






コルトM1911は、1911年に米軍に採用された.45オート。
かの天才銃器設計者、ジョン・M・ブローニングによってデザインされた傑作です。
後の1924年に改良型のM1911A1となり、以降ベレッタM9に更新されるまでの70余年にわたり米軍の正式拳銃の座にあった、拳銃界のレジェンドです。
今から100年以上前に設計されたにもかかわらず既に完成されていたそのメカニズムは、多くの自動拳銃の設計思想に影響を与えました。

米軍主要部隊では既にベレッタにバトンタッチしたものの、一部ではM9に更新することを嫌い、M1911A1にこだわる部隊も存在しました。
米海兵隊のMEU(Marine Expedition Unit=海兵遠征隊)もその一つです。
M9は非常に洗練されたよく当たる銃でしたが、採用当時はスライド断裂事件もあり、その信頼性を疑問視する声がありました。
MEUは老朽化したM1911A1のフレーム以外をすべてカスタムパーツで組みなおし、運用するようになりました。
所謂MEUピストルの誕生です。

東京マルイは既出のM1911A1をベースに、MEUピストルを2008年にモデルアップ。
スプリングフィールドのスライドにノバックのサイト、パックマイヤーのグリップを装備したモデルをイメージしています。

それでは細部を見ていきましょう。






パッケージはデザートカラーで海兵隊のロゴも入ったマリンコ仕様。






中は前作のM1911A1のように布が敷かれていてゴージャスな印象。
付属品はBB弾と取り扱い説明書、ガバ系オートについてくるバレルブッシングレンチなど。








全体的には黒くマットな仕上げで、M1911A1のような古臭さはなく、精悍な印象。
カスタムガバらしくタクティコーでカッコイイです。
フルサイズガバなので思ったより長くスレンダーなスタイル。






スライド。
本体の塗装はブラストっぽいつや消し仕上げ。
刻印は彫ってあるというより飛び出ている感じ。

スライドストップノッチには摩耗対策もばっちり。







マズルまわり。
9mm口径にはないこの迫力に、あらためて45口径の大きさを感じます。
バレルブッシングやリコイルプラグは亜鉛合金製。
使い込むことで恐らく塗装がすぐ剥げるので、社外パーツに変えたいところ。






トリガーまわり。
ダストカバーやトリガーガードのパーティングラインはきっちり処理済。
当時は東京マルイらしからぬ(失礼!)丁寧な仕上げに感動した記憶があります。

シルバーで3ホールがいいアクセントなトリガーはプルが軽い。とにかく軽い。さすがシングルアクション。
ダブルアクショントリガーに慣れた僕には軽すぎて怖いくらいです。
当然ストロークも短く遊びはなし。

マグキャッチはM1911A1に同じ。
設計された当時はボトムマグキャッチが一般的だった中、ボタンタイプを採用したのはブローニングさんの機能性重視の設計思想か、はたまたその天才的な先見の明によるものなのか・・・。とにかくマガジンチェンジがしやすい優れたデザインであったのは言うまでもありません。







グリップはパックマイヤー風の3ピース構造。
中には錘が入っています。
表面はラバーっぽくコーティングがされていて、滑りにくくて良さげですが、後々ベタつきそうな予感が・・・。
個人的にはパックマイヤーはあんまり好みではないので、Kimberっぽいグリップに交換予定。






これぞガバ系オートの真骨頂、コックアンドロック。
シングルアクションにハンマーコックとか、もう殺る気満々な佇まい。
正直怖いなーって思っていましたが、よく考えたらグリップセーフティあるじゃない。
そう思えばGlockのほうがはるかにキケンかも知れません。

とはいえそれでも腰に挿してたらいつの間にかセーフティが外れてそうでヒヤっとしますが・・・。

マニュアルセーフティはアンビで操作性も抜群。







ファイアリングピンは六角ネジになっていてちょい萎えポイント。
ただしここは社外のドレスアップパーツが出ているので、リアル派の僕らはさっさと交換しちゃいます。







サイトはドットのないタイプで、所謂ドブテイル固定式なのでネジなどはダミー。
リアサイトにはノバック社正式契約なので刻印がばっちり入ります。






スライド右まわり。
本来は右側面にスプリングフィールドの刻印が入りますが、東京マルイ製はプレーン。
ここは刻印入りの社外製スライドに交換するか、刻印を入れてくれるショップに依頼するかしちゃいましょう。







ややシャンパンゴールドっぽい色味のマガジンは装弾数28発で、M1911A1とも互換性あり。
バンパーはボトムから六角ネジで固定するタイプなので、スピードリロードでマガジンを落としても構造上ガス漏れは起きにくそう。







ガバ系共通の通常分解は、最新のポリマーオートに比べればやや面倒かも知れません。
手順はまず、マガジンを抜き、チャンバーの残弾を抜いてから、スライドを写真の位置まで引き、スライドストップノッチ後部の切り欠きにスライドストップレバー後端を合わせて、スライドストップレバーを引き抜きます。







そうするとスライドが前に外れます。
ホップアップ調整はこの状態で行います。
スライドASSY中央(チャンバー下部)に見えるダイヤルを回して調整します。







次にリコイルスプリングガイド、リコイルスプリング、リコイルプラグを外していきます。






最後にバレルASSYを取り外しますが、その前にスライド前部のバレルブッシングを写真の状態まで回して前に引き抜きます。
付属のレンチを使えば簡単にできますが、素手でやると固くてなかなか大変でした。






フィールドストリッピング完了。
最新オートに比べれば部品点数も多くて煩わしいですが、100年前の拳銃と考えるとむしろ簡単で完成されていると感じます。






分解ついでにTop Gun流プチリアルカスタムをやっちゃいましょう。

リアル派にとって、マズルで金色に輝くインナーバレルは目立ちすぎて激萎えポイントです。
黒染めするという手が一般的ですが、既に互換性のあるコンパクトモデルが出ているフルサイズには、もっと画期的な技があります。

それが、フルサイズモデルのインナーバレルをコンパクトモデルのものに交換しちゃうという方法。
ガバ系で言えば、MEUのインナーバレルをデトニクスのものに交換しちゃうということです。
今回は手持ちのKM企画のデトニクス用TNバレルに交換します。

チャンバーASSYにある二つのプラスネジを緩め、ホップレバーとホップパッキンを外して、オリジナルのインナーバレルからTNバレルに付け替えてネジを締めなおすだけ。







交換した結果がこちら。
見違えるほどリアルになったと思います。
ちなみにこのカスタムをやっちゃうと、インナーバレルが短くなった分初速が落ちます。
お座敷シューターにはあんまり関係ないですが、ゲーマーには注意が必要かも。







ホールドオープン。
アウターバレルの塗装仕上げがなかなか金属感があってGOOD。







参考までに弾薬比較。
左がガバ系オートが使う.45ACP弾で、右が9mmパラ弾(いずれもダミーカート)。
9mmがひ弱に見えるくらいサイズ差を感じます。







撃ってみた感触としては、リコイルはやはり東京マルイの最新モデルと比較するとやや物足りない感じ。
ブローバックスピードもどこかもっさりした感じで激しさはありません。
気温20度を下回ると、やはり息切れする感じがします。

初速はマガジンを人肌程度に温めて、70m/s弱といったところ。

今回このモデルはカスタムベース機として購入したので、ここからどれだけ性能UPできるか楽しみです。







命中精度は申し分なし。
いつも通り8mで0.25gを5発、2セット程撃ってみましたが、箱出しでよくまとまります。



いやー、カスタムガバっていいですね。
こんなにかっこいいとは思いませんでした。
操作性も抜群で、それでいてダンディーでクールなデザイン。大人になってようやくその魅力に気づきました。
温故知新ってやつですかね(遅ぇよ笑)。

今思えば、例えば『あぶない刑事』のダンディー鷹山とか、『東京DOGS』の高倉奏とか、『ジョン・ウィック2』のジョン・ウィックとか、スーツが似合うイケてるメンズたちはみな黒いカスタムガバを使ってました。

なんでもっと早く魅力に気づかなかったんだろう・・・

というワケで今回はここまで。では。













  

Posted by Tommy 鷹志 at 15:09Comments(0)東京マルイ

2018年12月30日

東京マルイ H&K USP GBB





世の中、普通なものほど万人ウケするものです。
逆に、個性強すぎなものは、コアなファンは一定数獲得できるものの、誰にでもウケるものとは限りません。

今やドイツはおろか世界的な一流銃器メーカーとなったHeckler & Koch社(以下H&K)も、特にハンドガンにおいては、かつては他社と一線異なる独特な味付けをするメーカーとして知られていました。

HK4に始まり、P9S、VP70、P7と、どれもデザイン面・機構面において個性的で魅力のある銃ですが、ハンドガンのメインストリームとなるにはいささかマニアック過ぎました。

そんなH&Kが、個性的な味付けはほどほどに、実用的モデルを世に送り出したのが今からおよそ25年前。
後のH&Kのハンドガンの基礎となる、USP(Universal Self-loading Pistol=汎用自動拳銃)の完成です。

そんなH&Kのフラッグシップを、発表からおよそ4年の歳月をかけ、東京マルイが2018年にモデルアップしました。
今更ではありますが、今回は東京マルイのUSP GBBをレポートします。





画像はアメリカで取材した実銃

実銃のUSPは冒頭の通り。
1993年の登場以来、現在も発売されているベストセラーです。
口径は9mmの他、.40S&W、.45ACPがラインナップされています。

USPと言えば、個人的にはやはり『トゥームレイダー』。
アンジェリーナ・ジョリー演じるララが、スタビライザー付きのマッチモデルを2丁拳銃でバリバリ撃ちまくっていたのが印象的でした。

.45口径モデルであれば、トム・クルーズの『コラテラル』もカッコよかったですね。
2人の強盗相手に、ジャケットドローからのモザンビーク・ドリルが痛快でした。

最近の国内メディアでは、警察ドラマの『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』で、メンバー全員が装備。
プロップはタナカのモデルガンベースでしょうか。
発砲こそなかったものの、小栗・西島のイケメンコンビとUSPの組み合わせがカッコよくてしびれました(実は今回USPが欲しくなった理由の一つでもあったりして笑)。

東京マルイからは、以前からエアコッキングと電動が発売済でしたが、この度ついにGBBが登場。
先行するUSPコンパクトをベースに、最新技術がふんだんに投入されています。
(にしても発表から発売までが長すぎるよ~っていう不満は前回のGlock19の記事でゲロってるんで今回は割愛で。。。)

ではいつも通りパッケージから見ていきましょう。





パッケージ。
実にドイツっぽい黒さが素敵。
デザインがドイツ軍のマークを連想させます。






内装も最近の東京マルイらしくてお洒落。
銃が搬送時にぐらつかない工夫がされている点もGOOD。








手にしてみるとやっぱり、ドイツらしい武骨で大柄な印象。
最近はどちらかと言えばコンパクトな銃を握ってばかりだったので、フルサイズってこんなに大きかったっけ?とびっくりです。






スライド。
塗装はラメ入りの、黒に限りなく近いダークグレー。
刻印はやや太めですが、実銃もまぁこんなもんかと。

ダストカバーには、元祖マウントレールが。
現代の感覚ではそりゃピカティニー規格がマストですが、控えめな中でも先進性を取り入れたH&Kには脱帽。

個人的にはハンドガンのピカティニーレールは嫌いなので全然問題ないっす。

ちなみに、オマケでピカティニーレールのアダプターが付属します。
(僕は使いませんけど笑)






マズルフェイス。
アウターバレルはやや肉薄で、控えめにポリゴナルライフリング。
リコイルスプリングガイドは定番の亜鉛合金製で、塗装の剥げが心配。







トリガーまわり。

グローブをはめても操作しやすいよう、トリガーガードはやや広め。
個人的にはコンパクトよりもフルサイズの形のほうが好みです。

やや細めのトリガーは、プルの重さ・キレ・リセットまでの距離も軍用銃としては平凡。






グリップはやや太めで、手の小さい日本人にはちょい握りにくいかも。
当然、USP以降のH&Kハンドガンの代名詞といえる、アンビのマグキャッチレバーは親指での操作は至極困難。
Glockなどのボタン式に慣れている人間にはややツラいですが、人差し指で操作するように慣れれば問題ナシです。

前後にチェッカリングが入っていて、滑るようなことはなさそう。






北米市場を意識して、1911系と同じ配置にされたマニュアルセーフティ。
USP通常モデルはいわゆるバリアント1のセッティングで、上げてセーフティON、水平でセーフティOFF、下げてデコック。
デコックすると、ハンマーはハーフコック位置となります。
こっちも使い込むうちに塗装が剥がれてきそうで心配。






リアまわり。
USPコンパクトにて再現されたモールドのファイアリングピンは、フルサイズにも見事に継承。
リアサイトはホワイトドットが2点。







やや小さめにホワイトドットが入れられたフロントサイト。
固定はネジではなくはめ込み式っぽい・・・?
いずれは社外パーツ(蓄光サイト)に交換したいところ。





モールドから脱却し、金属製の別パーツとなったエキストラクター。
ついに東京マルイもこういうニクい仕事ができるようになったんだなぁ~、と一人しみじみと感動。

一方で相変わらずのフレーム自社刻印ですが、今回は実銃の書体を意識して控えめに入れているのでまぁヨシとしましょう。
一体社外製リアル刻印フレームはいつになったら出るのやら・・・。






フレーム下部。
ちゃんと取扱説明書を読みましょう。






マガジンの装弾数は25発。
マグバンパーにはH&KのロゴとUSPの刻印。
USPコンパクト同様、大き目のスリットからBB弾が流し込める上、フォロワーの形状がBB弾を定位置に配置するのに適したカタチとなっていて実用的。
ただし、実銃同様、USPコンパクトとの互換性はありません。





通常分解は、いつも通りまずマガジンを抜いてチャンバークリアしてから、画像のようにスライドストップノッチをスライドストップレバーの軸まで合わせ、スライドストップレバーを引き抜いて行います。
フレーム右側面のボタン(厳密にはスライドストップレバーの軸)を押しながら引き抜くと簡単です。






通常分解。
工具なしでここまで分解可能。






スライドには迫力の15mm大口径シリンダー搭載。






スライドストップは最近の東京マルイ独自の機構。
内部の独立したレバーがスライドのブリーチに噛み合うことで、スライド外側のプラノッチをすり減らさないというワケ。
リアリティを犠牲にしていますが、道具としては非常に実用的かと。






ホールドオープン。
独自機構のおかげでノッチ摩耗の心配なくバシバシホールドオープンできます。






さて、期待の実射性能ですが、驚きのパフォーマンスを見せてくれました。
テストした今日は2018年最後の寒波が直撃。大阪でも外気温3℃と、帰省ラッシュに影響が出るほどの寒さという、ガスブロにとっては最悪のコンディションでした。
昔のガスガンであれば、すぐに生ガスを噴いて使い物にならなくなりますが、USPは違いました。

なんとマガジンが冷え冷えでも東京マルイ製Glock17クラスのリコイルと作動を維持し、ちゃんとホールドオープンするのです。

これは夏に化ける。
そう思いながらマガジンを十分温めて撃つと、恐らく東京マルイGBB史上最高クラスであろうリコイルショックとスライドスピードが僕の手を直撃。思わずニンマリしてしまいました。
そのリコイルは、先行するUSPコンパクトを凌駕しています。

初速は人肌程度に温めて68m/sくらい。
夏には70m/sくらいは出るでしょう。






命中精度についても、いつも通り計測。
もはや8m程度では何の心配もいらない精度です。
いずれはロングレンジでも試してみたいところ。

総評ですが、これは個人的にはツボでした。
2018年1月の発売時は諸事情で泣く泣くスルーしましたが、やはり買ってよかったです。
冬でもこんなに元気に動くGBBハンドガンは、これまで経験したことがありません。
何より、十分温めた時のリコイルショックは感動もので、撃っていて非常に楽しいです。

気になる点があるとすれば、マルイ自社刻印や金属パーツの塗装剥がれ、そして社外カスタムパーツの少なさくらいです。
なんで今更USP?などと、東京マルイの機種選定を問題視する声も耳にしますが、個人的には例えばSIG P228など、今ではクラッシックと言える銃を最新技術でじゃんじゃんモデルアップしてもらいたいので、むしろ大歓迎です。
(P320とか、最新のポリマーオートに全く興味ないんですよ・・・笑)

USPファンでなくても、これは買いです。


思えば、2018年は個人的にGBBが豊作だったと思います。
東京マルイに限ればUSPに始まり、M45A1(買い逃し)、89式(買い逃し)、そしてGlock19と、魅力的なモデルが連続で発売。
タナカワークスからもP220 ICが電撃発表されるなど、平成の終わりにふさわしい、非常にワクワクした一年でした(その分非常に散財した一年でもありましたが笑)。

来年もV10など、期待の新作が登場します。
いい年になりますように。



【おまけ】






フルサイズモデルで僕がよくやるプチアレンジをご紹介します。
リアル派ガンマニアであればげんなりするであろう、金色に輝くインナーバレルを目立たなくします。

コンパクトモデルであればバーチウッドのブルー液で黒染めする程度ですが、フルサイズモデルであればより短いコンパクト用のインナーバレルに交換してしまうという方法があります。

初速は多少犠牲になりますが、個人的にはあまり気にならないので多用しています。






まずアウターバレルからインナーバレルを取り外し、






ネジを緩めて分解します。





そしてコンパクト用のインナーバレル(社外製)に交換します。
上が純正、下がKM企画のUSPコンパクト用。

インナーバレルを物理的に短くすることで、マズルから見える量を減らそうってワケです。






組立。
問題なくフィットしました。
あとはアウターバレルに組み付けるだけ。






インナーバレル交換後のマズルフェイス。
金色のインナーバレルが見えなくなりました。
これだけでも、雰囲気が大きく変わります。

分解組立に多少自信のある方は、自己責任でお試しあれ。

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ガスガン 東京マルイ H&K USP
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撮影協力:HIDEOUT


  

Posted by Tommy 鷹志 at 01:07Comments(4)東京マルイ

2018年10月27日

東京マルイ Glock19




『もし一丁だけ拳銃を持てるならば、どれを選ぶか?』

平和な日本に生息するガンマニアという生き物にとって、恐らくこれほど悩ましい問いはないでしょう。かつての僕であれば、徹夜で一晩悩んでも一つに絞ることはできなかったと思います。

今の僕なら、迷わずGlockを選びます。

この趣味をはじめて気が付けば17年、あらゆる拳銃を見てきましたが、Glockほど自分の手にしっくりきた銃はありません。デザイン、操作性、安全性、信頼性、火力、拡張性。どれをとってもこれほど魅力的で洗練された銃はないでしょう。

特に9mm口径のGlock19は、大きすぎず小さすぎず、バランスが取れたちょうどいいモデルで、ミリポリからシビリアンまで、安定して人気のある銃です。
オープンからコンシールドまで、オフェンスからディフェンスまで、あらゆるシチュエーションに対応できる、まさに『一丁だけ』選ぶとすれば最も相応しいコンバットオートだと個人的には思います。

そんな注目の人気機種を、ついに、やっと、、ようやく、、、東京マルイがモデルアップしました。
今回は、首を長ーくして待っていた方も多いであろう、東京マルイの最新作、Glock19をレポートします。










画像:アメリカで取材した実銃

実銃のGlock19は、1988年に登場。
フルサイズのGlock17の長かったスライドとフレームが切り詰められ、コンパクトになりました。それでも、当時のフルサイズオートとしては標準的な15発のキャパシティーを誇り、発表から30年たった今なお人気は衰えず、進化を続けています(現行はGen 5)。

個人的には、Glock19は人生で初めて撃ったポリマーオートなので思い入れがあります。
事前に練習で撃ったメタルフレームの9mmオート(M1911系)よりリコイルが断然強く、強烈な印象を残しました。ちなみに上の画像は、アメリカ駐在任務中の2016年当時に取材した知人所有の個体です。










トイガンとしては、国内メーカーはKSC、海外メーカーはWEやVFC(UMAREX、旧Stark Arms)からモデルアップされており、真新しさはありません。

ただし東京マルイは、なぜかGlock17を出して以来、フルサイズベースの派生機種(カスタム、18C、22、34)ばかりを出すだけで、Glock19を出す気配は長らくありませんでした。やはりサイズ違いのコンパクトとなると新規設計となり、工数、人員、そしてコストがかかる大きな仕事となります。そこに投資をするだけのキャパがなかなか捻出できなかったのではないかと、いらん心配をしてしまいました。

皆が諦めかけていた2016年11月、突如発表となり、期待に胸が高まった方も多かったのではないでしょうか。あれから2年、まだかまだかと待ち続け、ついに手にする時がやってきました。

(あぁでもこの2年がとっても長かった。M&P9やらフルサイズUSPのあたりから巷でよく言われていることですが、最近のマルイさんはGBBハンドガン新製品の一発目の発表から発売までが長い長い。白樹脂モックアップからの焦らし攻撃やめてよマルイさん笑)

おっと心の声が漏れてしまった失礼。何も知らない若造がエラそうに文句言ってすんません・・・。待たされすぎて不満タラタラですが、よくよく考えたらそもそもエアガンメーカーって、会社規模からしたら中小企業クラスがほとんどです。当然、リソースやキャパ的に見て、そう簡単に新製品をポンポン出せるわけではありません。むしろ、毎年なんらかの新製品を発売している東京マルイは頑張っている方。ファンとしては、期待しすぎずに気長に待ちましょう。

さて、無駄話はこのくらいにして、本体を見ていきましょう。











パッケージ。黒っぽくて精悍な印象で、プロのツールっぽいGlockにはピッタリ。
最近の東京マルイの梱包は非常に丁寧で、かつてのトイガンのような白発泡スチロールは極力隠す工夫がされています。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

持ってみた印象ですが、これまでの東京マルイ製Glockでは考えられないくらい丁寧で、細部までこだわり抜かれたディティールで、実銃の雰囲気にかなり近づいています。重量についても実銃とほぼ同じ640gで、まるで実銃を手にしているかのような緊張感を感じました。









上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

スライド。
表面仕上げが従来のGlockシリーズのようなプラ感丸出しのつるつるではなく、実銃のようにサンドブラストのような梨地仕上げとなり、リアリティが向上しています。
刻印は彫りの深さや太さ、書体が若干異なります。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

マズルフェイス。
銃口とリコイルスプリングガイドとの位置関係、アウターバレルの太さ、そして控えめに入れられたポリゴナルライフリング。どれをとってもほぼ完璧に再現されています。強いて言えば、リコイルスプリングガイドがプラ製ではなく従来同様亜鉛合金製っぽいので、いずれは塗装が剥げていく点が残念ポイント。まぁ耐久性を考えたら仕方がないか。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

フレーム。
東京マルイ製Glock伝統の、シリアルプレート型マニュアルセーフティは健在。場所を取らない画期的なアイディアだとは思いますが、リアリティで考えると微妙。しかも撃っていると勝手にかかる恐れもあるので、いずれ社外パーツでオミット予定です。
Gen3以来のダストカバーのレールもきっちり再現。自分は残念ながらウェポンライトを持っていないので、実物パーツがきっちりはまるか未検証ですが、巷の様子だと大丈夫そう。








マグウェルは実銃同様、後端に向かってやや斜めに切り落とされた独特のデザインをばっちり再現。Glockのトレードマークも完璧。
表面仕上げはやや光沢がある気がします。







新型Glock19では、これまでモールドだった複数の部品が別パーツ化しました。
まずロッキングブロックピンが、別パーツにて再現。







チャンバー付近。
エキストラクターもついに金属製別パーツ化しました。
これまでのモールド再現から、ついに脱却成功。







チャンバー内には、最近の東京マルイ製GBBハンドガンで定着しつつある、最新式のHOPダイヤルを装備。これでいちいちフィールドストリッピングしなくても調整可能に。







スライド後端のカバープレートも樹脂製でしっかり別パーツ化。
ここまで、リアル派の諸兄が最も唸ったであろう新仕様の盛り合わせです。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

ただし、相変わらずの残念ポイントもあります。
フレームの刻印は相変わらずメーカーオリジナル。
ここは恐らく東京マルイのポリシーだと思いますので、今更とやかく言いません。
ガーダーあたりのリアル刻印フレームの発売まで辛抱強く待ちましょう。








フロントサイトはネジまで見える仕様に変更。
取り付け方など見た感じ、既存のパーツと互換性がありそう。

【2018.10.28追記】

僕と同時に新型Glock19を購入した後輩から、衝撃の写真が送られてきました。







なんと、買ったばかりなのにフロントサイトのホワイトドットが剥がれているではありませんか!

どうやら調べてみると、発売数日で、ネットを中心に同様の不具合発生の報告が複数確認できます。
軽く爪を立てた程度で剥がれたようで、初期ロット特有の不具合かもしれません。

従来のGlockシリーズのフロントサイトも、使い込めば次第に剥がれていくようなことはありましたが、買って早々に発生なんて聞いたことありません。

僕の個体はまだ大丈夫そうですが、いずれ剥がれていくのは目に見えています。

幸い既存のパーツと互換があるため(確認済み)、17純正のナイトサイトか、サードパーティのパーツに手っ取り早く換装しちゃいましょう。
そしてマルイさん、もし僕の乱文をご覧頂けているならば、次回ロットでは剥がれ対策を実施願います。










上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

ホールドオープン状態。

ちなみに、上の2枚の画像を見比べて違和感を覚えた人はたぶんGlockマスター。
よく見るとトリガー後退位置が違いますね。
実銃はスライドが前に戻る際にトリガーが前進する(つまり、スライドが後退しただけではトリガーは前進しない)のですが、ほぼすべてのGBBハンドガンでは、スライドを少し引いただけでトリガーが前進してしまいます。
これは実銃との構造の違いからくるもので仕方がないのですが、リアル派としては、いつか実銃と同じトリガーの動きをするモノが現れてくれないかと願うばかりです。

トリガープルはやはり実銃より軽いものの、Glockらしい引きやすくカチッとした引き心地。遊びの長さが気になる方は、後に出るカスタムパーツで好きなように弄っちゃいましょう。








フィールドストリッピング。
これまでのGlockシリーズと同様の手順で行います。

マガジンを抜いてスライドを引き、チャンバーの残弾なしを確認したら、スライドロックを下げてスライドを取り外します。
ただ、スライドが硬くてなかなか外れません。
ある程度使いこんでなじむまでは、少々コツがいりそうです。










新設計のスライドとエンジン。
USP他モデル同様、直径15mmの大口径シリンダーがついに実装されました。
後程、従来のGlockとの違いを見ていきます。








リコイルスプリングASSYも新設計。
バッファーが新たに追加され、強烈なリコイルから本体を守ります。
フロントにも樹脂パーツ(アウターバレルガイド)が付きました。これがブローバック時、バッファーとぶつかり緩衝材となり、スライドとフレーム双方への衝撃を軽減するというワケ。
これは耐久性UPの予感。








バレルASSYはHOPダイヤルの設計変更で、全くの別物に。








スライド前端の強化パーツは大型化されています。
これで前端クラックの心配は低減するはず。











スライドストップノッチは、従来のピンタイプからブロックタイプに変更され、摩耗対策が施されています(しかもよく見るとノッチから若干ブロックがはみ出てる笑)。
ただし、スライドストップリリースレバーは従来のものと同一(つまり、ブリーチに噛み合うような最新の設計ではなく、ノッチにそのままかかるタイプ)のため、やはりガンガン使い倒した時は多少の摩耗は仕方がないかと。








マガジンも当然新規設計。
残弾孔のモールドがよりリアルになりましたが、底板の固定が従来のネジで止める方式から、2本のピンで止める方式に変更されています。
これはリアリティ的にも耐ガス漏れ性能的にも、ちょっと残念ポイントかな。

■従来モデルとの比較・互換性








さて、ここからは従来モデルとの構造の違いを見ていきましょう。
今回は、参考までにGlock17と比較します。
ただし、見ての通りノーマルとは程遠いカスタムモデルなのはご愛敬ということで。







スライド・エンジンまわり。
シリンダーの長さはほぼ同じに見えますが、口径とマガジンと接続するガス流入口が拡大されています。







スライド前端の補強パーツは大型化。







リコイルスプリングガイドにはバッファーがつきました。
先端の樹脂パーツも大型化し、衝撃によるダメージを軽減します。






バレルASSYも、もはや似ても似つかぬ外観に。







ハンマーまわり。
リアシャーシの設計が変更されていますが、パーツリストを見る限り、ハンマーやノッカーなどは後述の通り従来機と互換性がありそうです。







フロントシャーシは、17に比べて肉抜きがされているように見えます。








そしてマガジンの互換性について。
取扱説明書に記載の通り、既存の17/18用の各種マガジンがそのまま使えるとのことで、とりあえず手持ちのもので実験してみました。
左から、純正17用、WE製樹脂マガジン、そして純正18用ロングマガジンです。

まず純正17用。
全く問題なく使えました。

次にWE製樹脂マガジン。
やや生ガスを噴きながらですが、作動しました。

最後にロングマガジン。
こちらもばっちり使えましたが、なぜかこの個体ではスライドストップが正常にかかりませんでした。

2016年の発表以来、完全新規モデルなので従来モデルとのパーツ互換性が気になるところでしたが、細かな部品に互換性がありそうです。

付属のパーツリストをざっと眺めた限りでは、トリガーバーやスライドストップ、ハンマー、ノッカー、シアー、マガジンの放出・注入バルブ他、多数の部品で従来モデルからの流用のようです(詳細は本体付属のパーツリスト参照)。

■実銃採寸のリアルサイズ







そしてもう一つ、気になるのが実銃サイズか否かです。
従来機のフレームがやや実銃より分厚いため、実銃用各種カイデックスホルスターに入らない問題がありました。代わりに.45口径モデル用で対応していましたが、リアル派としてはやはり専用ホルスターを使いたいもの。

新型Glock19では、メーカーも実銃採寸を謳っている通り、実銃用ホルスターにピッタリフィットします。
手持ちのRaven Concealment SystemsのPhantomホルスターに、ばっちり入りました。

■実射性能

室温は22度前後。
すっかり秋となり、GBBにはややつらい季節での実射です。
ガスを入れたマガジンを人肌まで温めて、とりあえず慣らし運転してみました。

リコイルは期待通り、非常に強烈。ガツンガツンと手元で暴れます。
従来モデルの撃ち味を知っている方は、思わずニンマリすること間違いなしです。
Glock26以来、確実に進化を遂げています。

ただ気温が低めでちょっと冷えに弱いかもしれません。
夏までに発売されていたらと思うと、ちょっと残念。来年に期待です。

ファーストロットなので個体差による不良を心配しましたが、僕の個体は至極快調でした。スライドの戻りも滑らかです。








初速は人肌程度に温めて、68m~65m/sの結果でした。
このサイズであればこんなものでしょう。







命中精度については、まだ箱出し状態ながら、十分実戦投入可能なレベルなのはさすが東京マルイ。
いつも通りG&Gの0.2gで5発を8mから3セット。
フライヤーが出ましたが、十分まとまっているかと。







参考までに20mでの結果。

まだ200発程度しか撃っていないので、その性能は未知数です。
激しいリコイルや使い込んだことで生じるクラックや各部の剥げが心配ですが、これについてはこれから使い倒して見ていきたいと思います。









上:東京マルイ製 下:アメリカの実銃

■総評

いやー素晴らしい。
これぞ、今まで僕が長年待ち望んできたガスブロGlockの完成形です。
ルックスよし、リコイルよし、命中精度よし。拡張性も今後広がっていくでしょう。
コストパフォーマンスに優れた、最高の一丁に数えられるでしょう。
ゲーマーにも装備好きにもお座敷シューターにも、広くおすすめできます。

まさに『一丁だけ持っていく』なら、僕はこれに決まりです。






撮影協力:HIDEOUT
  

Posted by Tommy 鷹志 at 20:50Comments(0)東京マルイ

2018年05月03日

東京マルイ VSR-10 プロスナイパー





今から1年ほど前、遊び用にVSR-10を購入しました。
少なからずスナイパーへの憧れもありましたが、何よりBB弾のみ、追加パワーソース無しでオールシーズン高性能を発揮するプライマリウェポンがほしかったというのが一番の導入理由です。

新品箱出しレビューではありませんが、使用してみた感想とカスタム模様を簡単にレポートします。








※画像はアメリカで取材した実銃

VSR-10は、言うまでもなく米国レミントン社のモデル700ボルトアクションライフルをモチーフにモデルアップされています。
細部のレイアウトやボルトハンドルの形状、マニュアルセーフティの配置など、ほぼ実銃と同様に再現されています。







ノーマルモデルとしては、リコイルショックが楽しめるリアルショックバージョンと、極限まで発射音とリコイルを抑えたプロスナイパーバージョンの2機種がラインナップされています。この他、カスタム仕様のG-SPECやプロハンターなどもあります。
自分はたまに行くサバゲーでの使用やポリス装備での運用を考え、黒いプロスナイパーバージョンをチョイス。

パッケージは細長く、全体として非常に軽かったのを覚えています。
マルイにしては非常にシンプルな梱包でした。







フロントサイトが付属していますが、
なんと両面テープ固定。スコープ装着が前提です。






ボルトまわり。
マルイ独自のシリンダーサポートリングのおかげもあり、ボルトの引き心地は実に軽快。
ストロークは長めですが、むしろリアリティがあって大歓迎。







標準装備のリアサイトは早速取っ払い、マウントレールを装着しました。







元々AR系に乗せるべく購入していたノーベルアームズのTAC ONE 2824を装備。
安くて高性能なエアソフト用スコープで、レティクルは赤、青、緑に発光します。

さすが東京マルイが誇るエアーライフル、箱出しでも十分当たる性能を有しています。
ただ、この手のライフルはやはりカスタムしてなんぼ。
弄り倒してこそ、個々の味が出るというものです。

発売から今や10余年、巷では既にカスタムパーツが揃い、命中精度UPのカスタム方法が確立されています。
自分もノーマルよりは当たる性能を得るべく、簡単なカスタムを施しました。









まずはバレルとチャンバーを、マルイ純正真鍮仕様に交換。








お次はホップパッキン。
FIREFLYのうましか辛口に交換。








最後にバレルスペーサで余計なガタつきを軽減しました。








実射。
大阪大正のHIDEOUTさんが誇る、大阪では最大級の23mインドアレンジでテストしました。








東京マルイの0.25gで5発撃ってみた結果。
23mではヘッドショットは可能な程度にまとまりました。







そしてたまに見せてくれる、初弾でど真ん中のスーパーショット。
次は40mでヘッドショットを目指すべく、カスタム研究中です。









その後、外装についても少し弄ってみました。
野外の森林フィールドでの使用を想定した、簡単な擬装を施します。







[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

KM企画 25スリムサイレンサー 105mm
価格:3240円(税込、送料別) (2020/11/16時点)



その前にまず減音対策をば。
KM企画のスリムサイレンサー 105mmを装備。
このサイレンサーは本来ハンドガン用ですが、径がVSR-10のアウターバレルに近く、アウターバレルに同化した、見た目的にさりげない減音が可能です。








そして今回の外装カスタムの主役がカモテープ。
McNett TacticalのCamo Formというテープで、デジタルデザートを使います。
巻きつける本体には一切接着されず、テープ同士の接着力でくっつくテープです。
接着には少々コツがいりますが、慣れればなんにでも巻きつけられ、いつでも取り外し・再接着可能な優れもの。







まずアウターバレルに念入りに巻きつけ。
マズルには適当な穴をあけた切れ端で覆い、その上からテープでぐるぐる巻きに。







ストックにも巻きつけ。
VSR-10のノーマルストックは予想以上に滑りやすかったので、これでグリップ感もUPです。

とりあえず、これで簡単な擬装ができました。
あとはゲーム前に麻ぬのをバレルまわりとスコープまわりに追加で巻きつければ、十分な擬装になるでしょう。
それについてはまた次回の機会にでも・・・。









  

Posted by Tommy 鷹志 at 14:53Comments(0)東京マルイ

2017年09月23日

東京マルイ H&K USP Compact




僕はコンパクトサイズのハンドガンが好きです。

フルサイズでは大きくてかさばり、コンシールドキャリーするにもジャケットからドローするにも少々使いにくく感じてしまいます。

実銃の世界では、今や使えるコンパクトオートが数多とあり、デザインや使いやすさ、口径でえり好みすることができます。

しかし、日本のトイガン業界ではそうもいきません。エアガンは小さくなればなるほど技術的に安定した性能を得るのが難しくなるので、仮にモデルアップされても実射性能がどこかパッとしないものが多いのが実情でした。

特にサイズに左右されると思うのはリコイルショック。サイズが小さくなればリコイルショックも弱くなるのが一般的で、小さくてもリコイルショックが強いモデルになかなか出会えません。

さらに僕は9mmのヨーロピアンオートが大好物。そのせいで、何年か前に東京マルイからデトニクス.45が発売されましたが、あまり購買欲に駆られませんでした。

いいものはないだろうかと探し続けて数年、ついに満足のいくモデルが現れました。

今回は東京マルイのUSP Compactをレビューします。





※アメリカで取材した実銃

USP(Universal Self-loading Pistol)は、ドイツの大手銃器メーカーのHeckler & Koch が開発したポリマーフレームオート。

独創的な銃をつくることで有名な同社が、自社ラインナップにハンドガンのフラッグシップというべきモデルを確立すべく、技術的冒険を極力抑え、既存の信頼性の高いメカでデザインした堅実的なモデルです。

Compactは文字通りフルサイズモデルを切り詰めたコンパクトモデル。ドイツ警察など多くの機関で正式採用されるほか、メディアの世界ではドラマ"24"で主人公のジャック・バウアーが使用するなど有名です。








そんなポピュラーなモデルを、東京マルイは最新技術を駆使してモデルアップ。

これまでに培ってきたガスガンのノウハウを惜しみなく投入した結果、コンパクトハンドガンとしては最高傑作というべきものに仕上がっています。

では詳細に見ていきましょう。






外箱。

やはりジャック・バウアーの銃だけに、デザインからして24感が溢れ出ています。






内装は最近の東京マルイ製品らしく、発泡スチロールの梱包材を紙製梱包でカバーし、少しでも安っぽさを出さずに精悍に仕上げる工夫がされています。






手にすると小さいながらずっしりとした重みがあり、仕上げもなかなか。実銃の雰囲気をよく表現しています。






左側面。

ダストカバーには独自規格のレールを装備。スライドはわずかにラメが入ったマットブラック。






スライド刻印。
左がエアガンで、右が実銃。

字体、彫りの太さ深さともに、実銃を完璧に再現しています。






フロントまわり。

真鍮のインナーバレルが目立つので、気になるリアル派の皆さんは黒く染めましょう。

リコイルスプリングガイドは、生産時期によって先端がフラットなタイプと二股のタイプがあり、東京マルイは二股タイプをモデル化したようです。






トリガーまわり。

トリガーのキレや重さは、一般的な軍用ダブルアクションオートと同等で、可もなく不可もなく。

アンビでレバータイプのマガジンキャッチはややトリガー寄りに配置されており、日本人には親指から遠いので使いにくいと感じます。

レバー類は東京マルイ製品全般に言える通り、塗膜の弱さが不安です。







グリップにはシボ加工とチェッカリングで滑り止め対策がされており、さらにはマガジンを引き抜きやすくするようマグバンパー付近にくぼみがあります。グリップ刻印は最新のタイプを再現。






実銃との比較。
左がエアガンで右が実銃。

シボ加工のパターンがやや異なるかも。







トリガーガード下部には英語で「取扱説明書参照」の刻印あり。

USP Compactには独立したマニュアルセーフティがあるので、シリアルプレートには東京マルイ製グロックのような煩わしいオリジナルセーフティはありません。





マニュアルセーフティはフレーム後方の左側面にあり、実銃でいうバリアント1を採用。上図のように上に上げるとセーフティが働きトリガーを引いても撃発しません。

また、マニュアルセーフティはハンマーの位置に関わらず作動します。






さらに、ハンマーコックの状態からセーフティレバーを下に下げればデコックできます。






ハンマーは衣服への引っ掛かりが少ないデホーンドタイプを採用。図のように3ポジションあり、左がダウン状態、真ん中がハーフコック状態、右がフルコック状態です。






スライド後部。

なんとファイアリングピンがモールドで再現されています。
これまでの東京マルイでは考えられない粋な計らいに感動しました。

リアサイトは固定式の金属製でホワイトドットが塗装で入ります。







本体右側面。

フレームのオリジナル刻印が煩いと感じるリアル派の皆さんは、いずれ発売されるであろう社外製のリアル刻印フレームに交換しちゃいましょう(もはやこの点は東京マルイに全く期待していない)。

エキストラクターの再現性は、やはりライバルのKSCに軍配が上がります。







フロントサイトも固定式の金属製で、ホワイトドットが入ります。
ややドットが下寄りにあるのがなんだか不快(笑)







通常分解はスライドストップレバーを外して行う、いわゆるM1911タイプ。
手順はグロックやSIG系に比べるとやや煩わしいですが、慣れれば問題ありません。








ポップアップレバーは最近の東京マルイ製品同様最新式。







そのおかげで、通常分解をしなくともチャンバーに指を突っ込んでホップ調整が可能です。








エンジンは最新式の15mm口径ピストンカップを採用し、シャープでスピーディーなリコイルを生みます。









スライドストップレバーは東京マルイ独自の機構で耐久性重視。スライド外側のノッチはダミーで、図のインナーレバーがスライド内側の金属製ノッチに掛かるという画期的な仕組みです。






おかげで外側のノッチはすり減ることはなさそうですが、ホールドオープンすると図のようにノッチとスライドストップレバーの爪との間にわずかに溝ができてしまいます。

ただ、同社製M&P9ほど大きな溝ではないので及第点といったところです。






マガジンは亜鉛合金製で23発のキャパシティ。

実銃のマガジンに質感を近づけるように塗装が工夫されているほか、背面にはプレスの噛み合わせや溶接痕が再現されており、仕上げは上々です。






また、マガジンのフォロアー形状が見直され、よりBB弾を揃えて装填しやすくなりました。









マガジンバンパーは、デフォルトのフィンガーレスト付のほか、フラットタイプも付属します。







USPシリーズのレールは独自規格であるため、ピカティニー規格のレールアダプターが付属します。

フラッシュライトの取付時に使用します。






実射性能。

リコイルは15mm口径エンジン搭載により、非常に鋭く素早い味付けがされており、撃ってて楽しいモデルに仕上がっています。
コンパクトオートと思って侮っていると、逆に感動すること間違いなしです。

初速については、やはりインナーバレルが短いので60m/s台と、やや遅めです。






命中精度については、東京マルイ製品としては平凡といったところ。

上図は東京マルイ製0.25gBB弾5発を射程8mで委託射撃した結果。左は1回目で右が2回目。

1回目は新品箱出しでホップが安定しなかったのか、やや上下に散らばっていますが、2回目はやや左に外れたもののなかなかのまとまり具合です。






お次に立射。

ツーハンド・アイソサリース(二等辺)スタイルで8mから5発。
ヘッドショット可能な程度にまとまりました。



最後に総評ですが、このモデルには非常に満足しました。

これまでの東京マルイ製品では考えられない再現度とリコイルショックで、お座敷でいじってもサバゲーでガンガン撃っても非常に楽しめるでしょう。

他モデルに比べて社外カスタムパーツが少ないのがネックですので、今後のパーツメーカーの動向に期待しましょう。

東京マルイには、この調子でリアリティとハイレベルな実射性能を併せ持った、クオリティの高いモデルを出し続けて欲しいものです。



今回はここまで。
ではまた。










  

Posted by Tommy 鷹志 at 23:42Comments(0)東京マルイ

2017年01月22日

東京マルイ S&W M&P9




今回は東京マルイのM&P9をレポートします。
アメリカ駐在中に取材した実銃と比較しながらご紹介します。







M&P9は、アメリカ銃器メーカーの老舗Smith and Wesson (S&W)が開発したストライカーファイアのポリマーフレームハンドガン。
Glockに対抗すべく、S&Wが満を持して2005年にリリースしました。

かつてGlockの市場席巻に影響を受け、その場しのぎで対抗策「シグマ」を送り出したものの、多くの部分でGlockを模倣するという、老舗銃器メーカーとして恥ずべき暴挙でした。
結果、Glockに訴えられ、自らのブランドに泥を塗ることとなりました。
屈辱の中、名誉挽回を誓ったS&Wが、徹底的に研究と技術開発に徹し、持てる力を注ぎこんで出した答えが、このM&Pシリーズ。

かつて全米のLE機関が愛用していたM10の愛称「Military & Police」の名を冠している通り、軍・警察をメインターゲットとするコンバットハンドガンです。

登場以来、アメリカ市場の評価は上々。
Glockが占める市場にじわじわ食い込む程人気です。

最近の映画では、「アベンジャーズ」シリーズに登場するS.H.I.E.L.D.長官ニック フューリーがサイドアームとして使用しています。







そんなS&Wの野心作を東京マルイは2014年にモデルアップ。
2009年の発表以来、お得意の超絶焦らし攻撃(という名の納期遅延)にまだかまだかと期待を膨らませていた人も多いはず。僕もその一人でした。
発表当初は.45口径モデルでしたが、後に9mmモデルに変更したのはナイス判断だったと思います。

発売以来欲しい欲しいと思いながらもお財布事情で中々買えませんでしたが、仕事の都合でアメリカに駐在中に実銃に触れ、帰国後我慢できなくなり購入しました。
購入した個体は中古品でしたが、梱包・本体ともにほとんど傷が見られない極美品でした。

では細部を見ていきましょう。








外箱のデザイン。
最近のモデルの箱はスタイリッシュでカッコいいですね。








中身の梱包は、ありがちな真っ白発砲スチロールではなく、黒を基調とするスタイリッシュな仕様。








東京マルイは実在するサムセーフティモデルをモデルアップ。
Glockシリーズみたいに変なマニュアルセーフティーを無理矢理つけるよりは好感が持てます。







スライドの刻印はマルイらしく太め。このモデルは本家からお墨付きを得たのか、S&Wの刻印がばっちり入っています。







実銃の刻印も太めな印象で、スライドはマットグレーに近い色合い。








マズルまわり。
リコイルスプリングガイドはヘックス(六角形)タイプで実銃と同様。
一般的にマルイの塗装は甘いので剥げが心配です。
アウターバレルは実銃に比べて肉薄ですが、それを除けば実銃そっくりでよくできていると思います。








実銃。
最近のポリマーオートはダストカバーにレールが標準装備。
フラッシュライトの取り付けが前提です。








トリガーまわり。実銃同様上下2分割式で、下半分がトリガーセーフティとなっています。
引き味はぐにゃっとした感じ。
Glock同様、好き嫌いの別れるトリガーですが、Glockに比べて遊びは短く、レットオフ直前で重くなり、パチンと落ちます。


フレームのピンは実銃同様ロールピンでびっくり(笑)








実銃。
一般的に実銃のトリガーは安全上、トイガンに比べて重いものですが、M&Pの場合はGlockに比べてスムーズで軽かったと記憶しています。

ちなみに、Glockとは異なり、ストライカーの位置に関わらずトリガーポジションは変わらないまま。
実銃ではローディングインジケーターがあるので大きな問題にはなりませんが、エアガンでは後述の気になる点が・・・






マニュアルセーフティはアンビで、M1911系同様上げてON。
可動範囲は短くパチパチとクリック感があり使いやすいと感じます。









スライドストップリリースも実銃同様にアンビ。
フレームには相変わらず頑固一徹にマルイ刻印。
マルイの銃は「浪漫のあるモデルガン」というより「サバゲのツール」ですし仕方ないね。
リアル派の我々はさっさと社外品のリアル刻印フレームに交換しちゃいましょう。








サイトはホワイトドット3点式。
ノーマルでもリアサイトがノバックっぽくて使いやすいと思います。








チャンバー後部には、ローディングインジケーターを再現。
丸い小窓には真鍮が見え、薬莢が装てんされているようで雰囲気抜群。








最近のマルイ製ガスガンはホップアップ調整レバーが改良され、ホールドオープンの状態でチャンバーに指を突っ込むことで、フィールドストリッピング(通常分解)しなくてもホップ調整が可能です。








グリップにはS&Wのロゴマークが入ります。
交換可能なバックストラップはラバーで握りやすさは良好。








実銃のグリップはマルイ製に比べツヤ消しでもっとザラザラした仕上げ。









バックストラップの交換は簡単。
マグウェル後部のレバーを画像のように反時計回りに90度回し・・・







そのまま下に引き抜くと・・・








ロックが外れ、バックストラップを取り外せます。








左から、Small、Medium、Large。
Mediumがデフォルトで装着されます。
日本人の手にはSmallがしっくりくると思います。







マガジンは亜鉛ダイキャスト製で装弾数25発。
ガスガンとしては標準的な装弾数です。
ツヤ消しマット仕上げですが、一般的にマルイの塗装は弱いため、使い込むうちにどんどん剥げてくると思います。







実銃のマガジン。9mm弾が17発のキャパシティ。
スチールプレス製でブルー仕上げ。







フィールドストリッピングも簡単。
マガジンを抜いてスライドを引き、チャンバーチェックを行ってから、トリガー上のレバーを90度下にまわすとスライドASSYが前に外れます。








フィールドストリッピング。
Glock同様パーツ点数が少なく、メンテナンスも容易です。









エンジンまわり。
強烈なリコイルショックを生む15mmの大口径ピストンカップ装備。







実銃はストライカーファイアでも、ガスガンは内部のインナーハンマーによってマガジンのバルブを叩いて撃発します。








ホールドオープン。
スライドストップノッチには削れ対策の他、スライドストップレバーが直接ノッチに触れないような構造になっていますが・・・









よく見ると隙間がありすぎるような・・・(苦笑)











(左:東京マルイ製 右:実銃)

実銃と比較するとやはりオモチャっぽさは残りますが、S&W刻印やロールピンの採用など、一昔前の同社製品に比べかなり細かなディティールがリアルになりつつあり、全体的にはよくできていると思います。

実射性能は、まだ軽い慣らし運転程度ですが、リコイルは強烈。
真冬の冷えではさすがに作動不良が出るものの、マガジンを温めると鋭いリコイルで手元が狂います。
弾道も素直で15m先の灰皿サイズのターゲットにビシバシ当たり、ハンドガンとしては申し分ない性能です。

気になる点は・・・

①インナーハンマーがコックされてもトリガーポジションが変わらない
 
 Glockではコックすると変わるトリガーポジションでも、M&Pでは変わりません。
 実銃にはローディングインジケーターがありますが、エアガンでは所詮はお飾り。
 チャンバーチェックには特に気を付け、常にロードされている前提で扱う必要があります。

②スライドが若干重い

 巷のユーザーでも話題に挙がっているようですが、ハンマーダウンからコックする際スライドが重く感じます。
 ハンマースプリングとシアースプリングが固めなのかもしれません。
 今のところ実用上問題なさそうですので様子を見ますが・・・


それでも、トリガーポジションの点以外はGlock以上に使いやすく、後継機にぴったりだと感じました。
しばらくはタクトレのセカンダリーとして、腰に吊るすことにします。


今回はここまで。
次回もお楽しみに。








  

Posted by Tommy 鷹志 at 01:07Comments(4)東京マルイ

2015年03月15日

東京マルイ SIG552 SEALs




今回は東京マルイのSIG552 SEALsをレビューしたいと思います。














SG552は、スイスのSIG社が開発したアサルトライフルの最高峰、SG550シリーズの最小モデル。
バレルとハンドガードが大幅に切り詰められ、ガスピストン部にあったリコイルスプリングがボルトキャリア後方に移動しています。
小さくなってもフルサイズモデルが持つ高い命中精度と堅牢性は健在。






スクリーンの世界では、映画「マイアミ・バイス」で、コリン・ファレル演じる主人公が使用していました。






そんなSG552を、東京マルイは「SIG552 SEALs」として2003年に発売。
以前から販売していたSIG550・551SWATから一新。可変バースト機構を廃止し、マガジンも新規に作り直し、短くなったハンドガードに対応する専用バッテリーまで開発するという意欲作でした。

個人的に気になるのは"SEALs"のネーム。なんでも、米海軍特殊部隊Navy SEALsがSG552をテストしたというウワサを元に、実際に納入されたモデルをイメージしてモデルアップしたんだとか・・・。でもなんだか真相はよくわからないですね。その後Navy SEALsがSG552を使用したという話を自分は聞いたことがありません(少なくとも自分はSG552を手にするNavy SEALsの隊員の写真を見たことがありません)。事実、皆さんがご存じのように、Navy SEALsはM4(Mk-18を含む)やその派生モデル(HK416やSCARなど)を使用し続けてきました。
どうせなら信憑性に乏しい"SEALsモデル"なんかにせず、通常のモデルで出してくれたらよかったのになぁなんて思うのは自分だけでしょうか?
まぁ自分みたいな素人ガンマニアが偉そうに言えることじゃないですが(笑)





コイツは僕が後輩から頂いたものです。僕は以前からSG552が大好きで、最初に買う電動ガンを決める際にSG552とMP5とどっちにしようかなかなか決められないほどでした(結局安かったMP5に逃げてしまいましたが)。ある時後輩と雑談していた時にふと自分が「SG552が欲しい」という話を口にすると、後輩が実家の押し入れに故障した状態で長らく放置していたようで、あげましょうかと言ってくれたので、譲ってもらいました(笑)。ようやく念願のモデルを手にすることができました。本当に感謝です。

ちなみに後輩は外装を弄っており、純正のフラッシュハイダーとマウントレール類が取り外され、代わりに東京マルイのショートサイレンサーが付いてきました。したがって箱出しノーマルモデルのレビューではございませんのであしからず。


さて、細部をじっくり見ていきましょう。






フロント付近。本来は三又のフラッシュハイダーが標準装備されていますが、東京マルイのショートサイレンサーに交換されています。フロントサイトやアウターバレルはダイキャスト製で剛性も十分。ガスレギュレーターは可動し、取り外しも可能です。個人的にはゲーム中になくしそうで怖いくらいです。







マズルは14mm逆ネジになっているのでこの個体のようにサイレンサーを装備できます。








ハンドガード。ここにミニSバッテリーを内蔵します。直後にあるピンを抜けば2分割でき、バッテリーを交換できます。取り外しはともかく、組み立てる際は若干コツが要ります。プラスチック製なので少し軋みますが今のところ問題はありません。






右側面には小さいながらもマウントレールがあり、ライト類を取り付けることができます(写真のレールは後付けした社外品)。
箱出し品にはハンドガード下部にアンダーマウントレールが標準装備されていますので、フォアグリップの取り付けもOK。





レシーバー。防錆処理を意識したグレー塗装に、"RESTRICTED FOR LAW ENFORCEMENT /GOVERNMENT USE AND/OR EXPORT ONLY"(法執行機関/政府による使用・輸出に限る)の白字刻印がなかなかの渋さ。プラスチック製なので最新の電動ガンと比較すると強度に不安が残ります。他のユーザーさんからは「割れる」とか「ヒビが入る」との声が上がっているようですが、自分の個体は問題なしです。その分軽く、次世代M4に慣れた自分にはかなり扱いやすく感じました。






コッキングレバーを引くとエジェクションポートが開き、ホップアップ調整ダイアルが現れます。もう少し後方まで引けたらなお良かったんですが・・・。後発のG&G製では実銃同様の位置まで引くことができ、さらに後退位置のままストップできるので、この点をもっとこだわってほしかったですね。






セレクターレバーはカチッとしていて好印象。ただしMP5に比べて、フルオートにセットする時親指が届かず使いづらいかもしれません。






トリガーの感触は他の電動ガンと比べても引きシロが短い部類で、連射しやすいと感じました。
マガジンリリースはAR-15系のようなボタン式ではなく、AK系のようなレバー式です。





グリップはAR-15系に比べて若干太く、拡張性に乏しいと思います。
ただ個人的にはそれほど気になりませんし、グリップアングルも良いと思います。滑り止めにシボ加工があるとなお良いでしょう。






トリガーガードはグローブ装着時の使用を考えて、左右に90度動かすことができます。






レシーバー上面には純正オプションでローマウントベースを搭載できます。ドットサイトやスコープの使用を前提に考えると必須アイテムです。










フロントサイトは2段階切り替え式。






リアサイトはドラム式でオープンタイプとピープタイプ3種から選べます。






ストックはスケルトンタイプでプラスチック製ながら基部は金属製なので剛性は十分。






さらにストックは基部左側面にあるボタンを押せば折り曲げることができます。
ストックをたためばMP5A3と同等の短さになるのでフィールドまでの持ち運びもインドアでの取り回しも楽、ストックを伸ばせばMk18(M4CQBR)と同等の長さになるのでがっちり狙えます。インドア・アウトドアを選ばない、これほど使いやすいアサルトライフルは数少ないかと思います。







最大の萌ポイントであるノーマルマガジン。実銃同様に半透明で、中にはダミーカートが入っていてリアリティ満点。
側面の突起により、マガジンを横に無加工で連結できます。
装弾数は43発で、3発程度弾ポロするので実質40発程度。僕のようなリアルカウント派には問題ありませんが、一般的なゲーマーさんにはちょっと少ないかもしれません。一応純正オプションで220連マガジンが発売されているのでトリガーハッピー派にも対応しています。
個人的には20連ショートマグではなく、30連スタンダードマグを再現してほしかったです。






このマガジン、まるで実弾が装填されているかのように見えるので、「どんな構造になっているんだろう?」と不思議に思った方も多いかもしれません。というワケで今回はバラしてみました。






実はこんな風にダミーカートは分割式になっていて、中心の柱にBB弾が入るマガジン本体があるんです。
ちなみにダミーカートはプラスチック製です。
真っ二つに割れて中身が空洞なダミーカートを見て、少し夢が壊れちゃいました(笑)。








さて、サブマシンガン並に短くインドア向けのSIG552ですが、発射音はわりと静かで、命中精度も東京マルイ製品らしく素直なので、スコープとサイレンサーをつければちょっとしたミドルレンジスナイパーライフルに早変わりしちゃったりします。初速は自分の個体は80m/s前後で、悪くない数値かと思います。







僕は最近M4に飽きてきて、皆がM4を使う中でちょっと違うモデルを持ちたいと感じていました。
そこで自分のM4CQBRに乗せていた装備類をほぼ移植してごてごてにしてみちゃったりしてます。
しばらくはコイツがゲームの主力になると思います。





いかがでしたでしょうか。

総評として、自分が個人的に感じた良い点と悪い点を簡単にまとめると

良い点
・軽い
・コンパクトで持ち運びやすく、インドアでの取り回し性も良い
・キレのある撃ち味とトリガーの感触
・マガジンがリアル

悪い点
・剛性の弱さ。レシーバーやハンドガードがプラスチック製なので軋み、最悪の場合割れる
・ノーマルマガジンの装弾数の少なさ、弾ポロ
・分解が面倒。後発メーカーの製品や実銃のようにピンを抜くだけでは分解できない
・拡張性が良くなく、オプションパーツが割高


となりました。やはり設計が古いこともあり、各部で気になる点もありますが、個人的には扱いやすく、大好きな銃です。
なによりスイスらしいメカメカしたデザインがカッコよく、持ってて気持ちがいいです。

アメリカを始め、世界市場をAR-15系が席巻する中、SG552を採用する部隊は少なく、コスプレをする人間にはなかなかつらいのが現状です。
しかしそれを自分は逆手にとって、M4でマンネリ化した戦場にちょっとした刺激を持ち込めたらいいなと思います。


  

Posted by Tommy 鷹志 at 23:50Comments(0)東京マルイ